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面会交流を拒否されたら?離婚後の対処法を弁護士が解説。拒否できるケースも紹介

2026-03-14
離婚

離婚後の面会交流を拒否された場合、どう対処すべきか?本記事では、面会交流の基本から、DVや虐待など拒否が認められるケース、調停や審判、間接強制などの法的対処法について弁護士が詳しく解説します。子どもと親の権利である交流を守るために必要な知識を紹介。解決が難しい場合は弁護士への相談も検討しましょう。
 

面会交流を拒否されたらどうすべき?拒否できる正当な理由と対処法を解説

離婚後、離れて暮らす親と子が会う「面会交流」。子どもの健やかな成長のために大切な権利ですが、「相手に拒否されて会わせてもらえない」「会わせたくない事情がある」と悩む方は少なくありません。
面会交流は原則として認められるべきものですが、子の利益に反する場合は制限されることもあります。本記事では、面会交流を拒否できる具体的なケースから、拒否された場合の法的対処法、令和8年施行の改正民法による祖父母との交流まで、詳しく解説します。
 

面会交流とは?

面会交流とは、父母が離婚した後で、子どもと父母のどちらかが別居することになった場合に、別居している親と子どもとが定期的に会って交流することを意味します。
親にとっては子どもの成長を確かめたり、子どもとの関係を維持するという意味があります。
一方、子どもにとっては、離れて暮らしていても親であることを再確認する意味があります。
 

面会交流は誰のための権利なのか?

面会交流は、離れて暮らす親の権利でもありますが、同時に子どもの権利でもあります。
民法では、面会交流については、「子の利益を最も優先して考慮しなければならない。」と定めています(民法766条1項)。
子どもの健全な成長のためには、面会交流は必要と考えられていることから、監護親の都合や感情で、面会交流を認めないものとすることは基本的に許されていません。
また、子どもが面会交流を望んでいない場合に、非監護親が面会交流を強要することも認められていません。
 

面会交流を拒否できるケースとは?

面会交流を行うかどうかは、「子の利益を最も優先して」検討しなければなりません。そのため、子の利益にならない場合は、面会交流を拒否できます。
つまり、子どもの福祉が害される場合ですが、具体例を見ていきましょう。
 

監護親や子どもがDV被害、モラハラ被害を受けていたケース

離婚前に監護親や子どもが、非監護親からDV被害、モラハラ被害を受けていた場合です。
このような場合、非監護親と面会交流を行うと、子どもがDV被害、モラハラ被害を受けてしまうリスクがあるため、面会交流を拒否できる可能性が高いです。
 

子どもを連れ去るリスクがあるケース

非監護親が面会交流を行った際に、そのまま子どもを連れ去ってしまうリスクがある場合です。
子どもの親権や監護権を巡って父と母が激しく対立している状況では、連れ去りリスクが高いと言えるでしょう。
もっとも、第三者を立ち会わせるなどして、連れ去りを防ぐ方法により面会交流を行える場合はそうしたリスクを軽減できます。
また、過去に実際に子どもを連れ去ったというケースでは、今後は面会交流を認めないとすることも可能です。
 

子どもを虐待する恐れがあるケース

離婚前に非監護親が子どもを虐待していたケースでは、面会交流を拒否する正当な理由があると言えます。
離婚前は虐待していなくても、面会交流中に子どもへの虐待が起きた場合も同様です。
子どもを虐待するリスクがある場合は、第三者の立会のもとで面会交流を実施する方法もあります。
 

子どもが面会交流を嫌がっている場合

面会交流は、「子の利益を最も優先して」検討するものです。子どもが面会交流を嫌がっている場合は、非監護親が面会交流を望んだとしても実施することはできません。
ただ、子どもが面会交流を拒否する理由が、監護親の顔色を伺ってのものだったり、言いつけによるものと判断されるケースでは、子ども自身が面会交流を嫌がっているわけではないため、認められます。
 

面会交流を拒否された場合の対処方法

面会交流を拒否された場合、一緒に暮らさない親——非監護親としてはどう対処したらよいのでしょうか。
主な対処方法を紹介します。
 

監護親と話し合う

面会交流を拒否されている場合に、直接子どもに連絡を取って、「どうしてお父さん(お母さん)と会わないのか?」と問いただすべきではありません。
まずは、監護親と話し合い、面会交流を拒否している理由を聞き出すことが先決です。
理由を聞きだしたら監護親と冷静に話し合い、面会交流をどうするのか決めていきましょう。
 
もっとも、監護親から面会交流を拒否されているケースでは、そもそも話し合いにならないことも少なくありません。
このような場合は、他の方法を検討するしかありません。
 

弁護士に相談し監護親と交渉してもらう

監護親が直接の話し合いを拒んでいたり、当事者同士では話し合いにならない場合は、弁護士に相談し、監護親と交渉してもらうのも一つの手です。
元配偶者と直接話し合うことを拒否している場合でも、弁護士ならば、比較的冷静に話し合いに応じてくれることもあります。
もちろん、監護親が子どもの事情ではなく自分の感情で面会交流を拒否している場合は、弁護士が出ていっても話し合いにならないこともあります。
監護親が自分の親、つまり、子どもの祖父母と同居しているケースでは、祖父母が面会交流を拒否することもあります。
 

面会交流調停(親子交流調停)を申し立てる

監護親との話し合いが難しい場合は、家庭裁判所に面会交流調停(親子交流調停)を申し立てることも可能です。
面会交流調停を申し立てると、調停委員が監護親と非監護親の間に入り、調停期日に様々な事情を聞き出して、話し合いがまとまるように尽力してくれます。
その際は、子どもの年齢、性別、性格、就学の有無、生活のリズム、生活環境等を考慮し、子どもに精神的な負担を負わせないようにすることが最優先となります。
そのうえで子どもの意向を尊重した取決めがなされるようにします。
 
更に必要に応じて、家庭裁判所調査官が立ち会ったうえで、試行的面会交流が行われることもあります。
これは、面会交流を行うことが子どもの福祉のためになるのか判断するために試験的に実施するものです。
 
そして、面会交流を行うものと決める際は、詳細な取り決めがなされます。
具体的には次のようなことが決められます。
 

  • 面会交流の頻度や時間
  • 面会交流の場所
  • 子供の受け渡し方法
  • プレゼントやお小遣いなどの取り決め

 
面会交流調停が成立した場合は、その調停調書で示された決まりに従い、面会交流を実施できるようになります。
 

面会交流調停(親子交流調停)が不成立になった場合は

家庭裁判所に面会交流調停(親子交流調停)を申し立てても、父母が調停案で示された条件に難色を示すなどして不成立となってしまうこともあります。
このような場合は、自動的に審判手続が開始されます。
 
審判とは、面会交流調停で父母双方からの意見や提出した資料、さらに家庭裁判所調査官による調査を踏まえたうえで、裁判官が面会交流の実施の可否について判断するものです。
 
面会交流を実施すべきとの審判が出れば、その審判で示された取り決めに基づいて、面会交流を行うことができます。
 

面会交流の調停や審判を行ったのに拒否された場合は?

調停調書や審判書などで面会交流の実施内容が決められているにも関わらず、監護親が面会交流を拒否することもあります。
このような場合は、家庭裁判所に申し立てを行うことで、面会交流を実施するよう促してもらうことができます。
そのための方法としては、
 

  • 履行勧告
  • 間接強制

 
の2つがあります。
 
履行勧告とは、家庭裁判所の調停や審判などで決まった面会交流等の義務を守らない親に対して、家庭裁判所がその義務を履行するように勧告する手続きです。
履行勧告には法的な強制力はありませんが、家庭裁判所から相手方に対して働きかけをしてもらえるため、面会交流が実施されやすくなります。
 
間接強制とは、家庭裁判所の調停や審判などで決まった面会交流等の義務を守らない親に対して、一定額の金銭の支払いを命じるものです。
つまり、面会交流の約束を守らないなら罰金を支払いなさいという形で、実施を間接的に促します。
 
なお、間接強制を行うためには、審判書などで、
 

  • 面会交流の日時又は頻度
  • 各回の面会交流時間の長さ
  • 子の引渡しの方法

 
等が具体的に定められているなど監護親がすべき給付の特定に欠けるところがないといえる場合でなければならないとされています(最決平成25年3月28日 民集 第67巻3号864頁)。
 
なお、間接強制ができるとされて事例での取り決め内容は次のようなものでした。
 

  • 面会交流の日程等は、月1回、毎月第2土曜日の午前10時から午後4時までとし、場所は、子の福祉を考慮して非監護親の自宅以外の非監護親が定めた場所とする。
  • 子の受渡場所は、監護親の自宅以外の場所とし、当事者間で協議して定めるが、協議が調わないときは、所定の駅改札口付近とし、監護親は、面会交流開始時に、受渡場所において子を非監護親に引き渡し、子を引き渡す場面のほかは、面会交流に立ち会わず、非監護親は、面会交流終了時に、受渡場所において子を監護親に引き渡す。

祖父母は面会交流することはできるのか?

面会交流というと、これまでは、子どもと父母だけの交流を意味し、祖父母等の親族は蚊帳の外に置かれていました。
しかし、令和8年4月1日から施行される改正民法のもとでは、父母以外の子の親族との面会交流についても取り決めができるようになりました(民法766条の2)。
 
なお、家庭裁判所は、「子の利益のため特に必要があると認めるとき」に父母以外の親族と子との交流を実施する旨を定めることができるとされているため、父母の面会交流よりもややハードルが高めになっています。
 
家庭裁判所の調停や審判などで、祖父母との面会交流について取り決めを行っている場合は、履行勧告や間接強制も可能になると考えられます。
 

面会交流を拒否された場合のその他の対応方法

面会交流を拒否された場合、家庭裁判所への調停の申立や履行勧告、間接強制以外にどのような対応が考えられるのかまとめておきます。
 

親権者の変更の申立

監護親が面会交流を拒否し続けているために、子どもの福祉のためにならないと考えられるケースでは、親権者の変更を検討することも考えられます。
離婚時に取り決めた親権者を変更するには、必ず、家庭裁判所に親権者変更調停を申し立てる必要があります。
家庭裁判所では、様々な事情を考慮して、親権者を変更すべきかどうか話し合いを進めていきます。
調停が不成立になった場合は、自動的に審判手続が開始されて、裁判官が一切の事情を考慮して、審判を下します。
ただ、親権者の変更はめったに認められないため、ハードルが高いのが実情です。
なお、親権者を変更しても、監護権が相手方に残ったままでは、子どもとの交流が難しいままになってしまうため、注意してください。
 

監護親への慰謝料請求

面会交流の取り決めがあるにも関わらず、監護親が繰り返し面会交流を拒んでいる場合は、監護親に対して慰謝料請求することも考えられます。
慰謝料請求するためには次の要件を満たすことが求められます。
 

  • 面会交流について、調停や審判で具体的に決めている。
  • 監護親が面会交流を拒否することに正当な理由がない。

 
このような要件を満たしており、面会交流を求めても、繰り返し拒否し続けているというケースでは、慰謝料請求できる可能性があります。
 

面会交流を拒否された場合によくある質問

面会交流を拒否されたことに関連してよくある質問をまとめておきます。
 

養育費を支払っていない場合は面会交流を拒否していいのか?

例えば、監護親が、「あなたが養育費を支払っていないから、面会交流を認めません」と主張してきたとします。
では、このような主張は認められるのでしょうか。
結論から言うと、養育費を支払っていないことは、面会交流を拒否する正当な理由にはならないと考えられています。
そのため、一時的に養育費の支払いが滞ってしまった場合でも、面会交流を拒否されるいわれはないということです。
 

面会交流を拒否されたら養育費を支払わなくてよいのか?

監護親が、面会交流を拒んでいる場合でも、それを理由に養育費を支払わないと主張することはできません。
養育費は、面会交流の対価ではなく、子どもの監護、成長のために必要な費用だからです。
もしも、面会交流を拒否されたことを理由に養育費を支払わないと主張してしまうと、相手方から法的な手段を講じられたり、調停を申し立てられて、あなたが不利な立場に追いやられてしまうリスクがあります。
 

元配偶者が再婚して子どもが養子縁組したら面会交流できなくなるのか?

元配偶者が再婚した場合は、連れ子も再婚相手と養子縁組して親子関係になることが少なくありません。
このような場合、実の親はその子どもとの面会交流ができなくなるのではないかと思うかもしれません。
しかし、普通養子縁組の場合は、養子縁組した後でも、実親との関係は維持されます。
そのため、面会交流についても、養子縁組前と同様に実施することができます。
ただ、子どもが養親との関係を築くために、面会交流の頻度を減らしていくといった配慮が必要になることもあります。
 

まとめ

面会交流を拒否された場合の対処方法についてまとめました。
面会交流は、子どもの成長に必要なものであると同時に親子双方の権利でもあります。
心では望んでいるのに面会交流ができない状況が続くことは子どものためにもよくありません。
面会交流を拒否された場合でも、この記事で紹介した様々な方法を利用することにより、再開にこぎつけることも可能です。
面会交流を拒否されて、対応に苦慮している方は、早めに弁護士にご相談ください。

著者

後藤千絵先生
弁護士

後藤ごとう 千絵ちえ

京都府生まれ。滋賀県立膳所高校、大阪大学文学部卒業後、大手損害保険会社に総合職として入社。

30歳を過ぎてから法律の道を志し、2006年に旧司法試験に合格。

08年に弁護士登録し、2017年にスタッフ全員が女性であるフェリーチェ法律事務所を設立。

離婚や相続など、家族の事案を最も得意とし、近年は「モラハラ」対策にも力を入れている。

著作に「誰も教えてくれなかった離婚しないための結婚の基本」(KADOKAWA)、『職場の嫌な人から自分を守る言葉の護身術』(三笠書房)がある。

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