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養育費の相場はいくら?離婚時の年収別・子どもの人数別早見表を弁護士が解説。計算方法や法律の知識も

2026-03-14
離婚

養育費の相場はいくら?離婚時の年収別・子どもの人数別早見表を弁護士が解説。計算方法や法律の知識も
 
離婚の際に気になる養育費の相場はいくら? 年収別・人数別の早見表をもとに、弁護士が具体的な月額や適正な金額を解説します。実際、養育費は子どもの数や年齢によって額が異なります。算定表を使った計算方法から、支払う側の年収を調べる方法まで、後で後悔しないための知識を具体的ケースを交えてお伝えします。
 

養育費の相場はいくら? 年収別・子供の年齢別の早見表と算定方法を解説

離婚を考える際、最も気がかりなことの一つが「養育費」ではないでしょうか。
 

  • 1. 「相手の年収なら、月々いくらもらえるのが妥当なの?」
  • 2. 「自分の収入が増えたら、もらえる額は減ってしまう?」
  • 3. 「子どもが成長して教育費がかさむようになったら、増額できるの?」

 
養育費は、子どもの生活を支え、健やかに育てるための大切な費用です。しかし、適切な金額を知らないまま合意してしまい、後から「足りない」と後悔するケースも少なくありません。
本記事では、実務で使われる「養育費算定表」に基づき、親の年収や子どもの人数・年齢に応じた養育費の相場を具体的に解説します。適正な金額を把握し、お子さんの未来を守るための第一歩として、ぜひ参考にしてください。
 

養育費とは

未成年の子どもがいる夫婦が離婚した場合は、養育費をどうするかが大きな問題となります。
養育費は、非監護親から監護親に対して、子どもの養育のための費用として支払われるものです。
夫婦は離婚することによって婚姻関係は解消されますが、親子の関係は離婚しても途切れません。
一緒に暮らさなくなった親でも子どもとの関係は基本的に一生続きます。
そして、子どもが成人するまでは、子どもの教育や生活に必要な費用を負担する義務があるわけです。
なお、大学まで進学する子どもも多いため、大学卒業の22歳まで養育費を負担するケースもあります。
 

養育費は親の年収により金額が異なる?

養育費は、親の年収や経済力により大きく異なります。
例えば、父親が高収入で、母子家庭の母親の収入が少ない場合は、養育費の金額が高額になるのが一般的です。
一方、父親の収入が少なく、母子家庭の母親の収入の方が多い場合は、養育費を受け取れないこともあります。
父親の収入と母子家庭の母親の収入がほぼ同じくらいであれば、養育費の金額は平均的な金額に収まることが多いです。
 

養育費は子どもの年齢により異なる?

養育費は子どもの年齢によっても大きく異なります。
幼少期は手がかかるものの学費はそれほどかからないことが多いでしょう。それに対して高校生以上になると学費がかかるようになりますし、進学のために塾に通うこともあります。
養育費は幼少の子どもよりも、中学高校生といった年齢の子どもの方が高額になるのが一般的なので、子どもの成長に合わせて、見直すこともあります。
 

養育費の相場とは?

養育費は、上記で説明したとおり、親の年収や子どもの年齢により金額が異なるため、相場を比較することにはあまり意味がありません。
ただ、令和3年度全国ひとり親世帯等調査によると次のような統計結果が出ているので参考になるでしょう。
 
1世帯平均月額

子どもの人数母子世帯父子世帯
1人40,468 円22,857 円
2人57,954 円28,777 円
3人87,300 円37,161 円
4人70,503 円
5人54,191 円

 
母子世帯と父子世帯とでは大きな開きがあることがわかります。
離婚した際は、母親が子どもの親権を獲得した上、監護親になるケースが多いです。
そのため、養育費も、父親が母子世帯に対して支払うケースが圧倒的に多いのが実情です。
 

養育費の算定方法

適切な養育費の金額はいくらなのかは、ケースバイケースですが、平均的な家庭であれば、養育費算定表によって決めることができます。
 
養育費算定表とは、子どもの人数と年齢、そして、父と母の年収を比較することで、適切な金額を割り出すことができる表です。
東京都大阪の家庭裁判所の裁判官による研究により、「 平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)」としてまとめられた表です。
 

養育費算定表サンプル

養育費算定表の読み方

養育費算定表サンプル2

養育費算定表は、横軸が権利者——子どもを監護する親の年収、縦軸が義務者——非監護親の年収を表しています。
両者を突き合わせて辿ることにより、適切な養育費の相場がわかるようになっています。
養育費算定表は、最高裁のサイトなどで確認できるので参考にしてください。

 

養育費の相場を父と母に年収の差があるケースで比較

では、養育費の相場を父と母に年収の差があるケースで比較していきましょう。
 

ケース1 父と母の年収に差があり、子1人(子0〜14歳)

  • 父 年収500万円の会社員
  • 母 年収200万円の会社員
  • 子の監護親は母

 
このケースでは養育費を支払う義務者は、父親となります。
養育費算定表で照らし合わせてみると、養育費の相場としては月額4万円から6万円が相場ということが分かります。
 

ケース2 父と母の年収に差がなく、子1人(子0〜14歳)

では、次に父と母の年収に差がないケースで見ていきましょう。
 

  • 父 年収500万円の会社員
  • 母 年収500万円の会社員
  • 子の監護親は母

 
年収に差がない場合でも、子を監護している母親が養育費の権利者になります。
年収に差がないなら、養育費は必要ないとお考えになる方もいらっしゃるかもしれませんが、養育費は子どものための費用だからです。
養育費算定表で照らし合わせてみると、養育費の相場としては月額2万円から4万円が相場ということが分かります。
 

ケース3 父と母の年収に差がなく、子1人(子15歳以上)

  • 父 年収500万円の会社員
  • 母 年収500万円の会社員
  • 子の監護親は母

 
では次に、同じ条件で子どもが15歳以上となる場合はどうでしょうか。
養育費算定表で照らし合わせてみると、養育費の相場としては月額4万円から6万円が相場ということが分かります。
つまり、子どもの年齢が上がれば、養育費の相場も一段上に上がるということです。
 

ケース4 監護親の方が年収が多い場合、子1人

  • 父 年収200万円の会社員
  • 母 年収500万円の会社員
  • 子の監護親は母

 
では、今度は、監護親である母の方が年収が多いケースを見ていきましょう。
父は年収200万円、一方、監護親である母は年収500万円。
これだけの年収の差があると、非監護親である父は養育費を支払う必要はないのではないかと思われるかもしれません。
しかし、それでも、父親も子どもが成人するまでは、親として養育費を負担する義務が生じます。
養育費算定表で照らし合わせてみると、(子0〜14歳)(子15歳以上)のどちらでも養育費の相場としては月額1万円から2万円となっています。
 
父親に養育費の支払い義務が生じない可能性があるのは、年収が100万円以下といったケースだけです。
 

養育費の月額相場を子どもの数と年収別に整理

では、監護親の年収が少なく、非監護親の年収の方が多い場合で、具体的にどれくらいの養育費を請求できるのか、子どもの数や年齢ごとに見ていきましょう。
まず、条件は下記のとおりとします。
 

  • 父 年収が母より多い会社員
  • 母 年収200万円の会社員
  • 子の監護親は母

年収300万円の場合の養育費相場

父の年収が年収300万円の場合です。年収がやや少なめですが、子どもが多かったり、年齢が上がれば、養育費の額は増える傾向にあります。
 

子1人(子0〜14歳)月額2万円から4万円
子1人(子15歳以上)月額2万円から4万円
子2人(第1子及び第2子0〜14歳)月額2万円から4万円
子2人(第1子15歳以上,第2子0〜14歳)月額4万円から6万円
子2人(第1子及び第2子15歳以上)月額4万円から6万円
子3人(第1子,第2子及び第3子0〜14歳)月額4万円から6万円
子3人(第1子15歳以上,第2子及び第3子0〜14歳)月額4万円から6万円
子3人(第1子及び第2子15歳以上,第3子0〜14歳)月額4万円から6万円
子3人(第1子,第2子及び第3子15歳以上)月額4万円から6万円

年収400万円の場合の養育費相場

父の年収が年収400万円で、母親よりも倍の年収がある場合です。やはり、子どもの数が多かったり、年齢が高くなると養育費の額が増える傾向です。
 

子1人(子0〜14歳)月額2万円から4万円
子1人(子15歳以上)月額4万円から6万円
子2人(第1子及び第2子0〜14歳)月額4万円から6万円
子2人(第1子15歳以上,第2子0〜14歳)月額4万円から6万円
子2人(第1子及び第2子15歳以上)月額4万円から6万円
子3人(第1子,第2子及び第3子0〜14歳)月額6万円から8万円
子3人(第1子15歳以上,第2子及び第3子0〜14歳)月額6万円から8万円
子3人(第1子及び第2子15歳以上,第3子0〜14歳)月額6万円から8万円
子3人(第1子,第2子及び第3子15歳以上)月額6万円から8万円

年収500万円の場合の養育費相場

父の年収が年収500万円で、母親よりも倍以上の年収がある場合です。父が独身だとすれば一般的には、余裕のある生活ができるでしょう。その分、養育費の額も少し高くなり、最低で月額4万円から請求できる可能性が高いです。
やはり、子どもの数が多かったり、年齢が高くなると養育費の額が増える傾向です。
 

子1人(子0〜14歳)月額4万円から6万円
子1人(子15歳以上)月額4万円から6万円
子2人(第1子及び第2子0〜14歳)月額6万円から8万円
子2人(第1子15歳以上,第2子0〜14歳)月額6万円から8万円
子2人(第1子及び第2子15歳以上)月額6万円から8万円
子3人(第1子,第2子及び第3子0〜14歳)月額8万円から10万円
子3人(第1子15歳以上,第2子及び第3子0〜14歳)月額8万円から10万円
子3人(第1子及び第2子15歳以上,第3子0〜14歳)月額8万円から10万円
子3人(第1子,第2子及び第3子15歳以上)月額8万円から10万円

年収600万円の場合の養育費相場

父の年収が年収600万円で、母親よりも3倍の年収がある場合です。
父が独身だとすれば、余裕のある生活ができるはずですから、その分、高めの養育費を請求できます。
子どもが一人でも月額6万円、3人いる場合は10万円から12万円請求できます。
 

子1人(子0〜14歳)月額6万円から8万円
子1人(子15歳以上)月額6万円から8万円
子2人(第1子及び第2子0〜14歳)月額8万円から10万円
子2人(第1子15歳以上,第2子0〜14歳)月額8万円から10万円
子2人(第1子及び第2子15歳以上)月額10万円から12万円
子3人(第1子,第2子及び第3子0〜14歳)月額10万円から12万円
子3人(第1子15歳以上,第2子及び第3子0〜14歳)月額10万円から12万円
子3人(第1子及び第2子15歳以上,第3子0〜14歳)月額10万円から12万円
子3人(第1子,第2子及び第3子15歳以上)月額10万円から12万円

年収700万円の場合の養育費相場

父の年収が年収700万円で、母親よりも3倍以上の年収がある場合です。
父が独身だとすれば、余裕のある生活ができるはずですから、その分、高めの養育費を請求できます。
子どもが一人でも月額6万円、3人いる場合は12万円から14万円請求できます。
 

子1人(子0〜14歳)月額6万円から8万円
子1人(子15歳以上)月額8万円から10万円
子2人(第1子及び第2子0〜14歳)月額10万円から12万円
子2人(第1子15歳以上,第2子0〜14歳)月額10万円から12万円
子2人(第1子及び第2子15歳以上)月額10万円から12万円
子3人(第1子,第2子及び第3子0〜14歳)月額12万円から14万円
子3人(第1子15歳以上,第2子及び第3子0〜14歳)月額12万円から14万円
子3人(第1子及び第2子15歳以上,第3子0〜14歳)月額12万円から14万円
子3人(第1子,第2子及び第3子15歳以上)月額12万円から14万円

年収800万円の場合の養育費相場

父の年収が年収800万円で、母親よりも4倍以上の年収がある場合です。
経済格差が大きい分、高めの養育費を請求できます。
子どもが一人でも月額8万円、3人いる場合は14万円から16万円請求できます。
 

子1人(子0〜14歳)月額8万円から10万円
子1人(子15歳以上)月額8万円から10万円
子2人(第1子及び第2子0〜14歳)月額10万円から12万円
子2人(第1子15歳以上,第2子0〜14歳)月額12万円から14万円
子2人(第1子及び第2子15歳以上)月額10万円から12万円
子3人(第1子,第2子及び第3子0〜14歳)月額12万円から14万円
子3人(第1子15歳以上,第2子及び第3子0〜14歳)月額12万円から14万円
子3人(第1子及び第2子15歳以上,第3子0〜14歳)月額14万円から16万円
子3人(第1子,第2子及び第3子15歳以上)月額14万円から16万円

元配偶者の年収を把握するには?

元配偶者に対して養育費を請求するには、元配偶者の年収を把握する必要があります。
 

  • ・一般的な会社員であれば、源泉徴収票の「支払金額」
  • ・自営業者ならば、確定申告の「課税される所得金額」

 
によって、年収を確認するのが一般的です。
 
なお、自営業者については、「課税される所得金額」をそのまま使うのではなく、実際に支払っていない青色申告特別控除などを考慮して実際の年収を割り出します。
 
ただ、相手方が素直に見せてくれないことも多いでしょう。
このような場合は、弁護士に相談し、子どもを養育する義務がある旨を相手方に伝えて粘り強く交渉する必要があります。
交渉が難しい場合でも、養育費請求調停を申し立てることで、調停委員から相手方に説得してもらうことも可能です。
 

年収だけで養育費が決まるわけではない

養育費は、監護親と非監護親の年収だけで決まるわけではありません。
年収別の養育費の相場は、あくまでも目安に過ぎず、実際には様々な要素が考慮されて養育費の額が決まります。
 
例えば、子どもが特別な習い事をしたいためにお金がかかる場合は、その分、養育費も高額になります。
また、子どもが病気がちで入院が必要な場合なども医療費がかかるため、養育費も多額になります。
 
相場とされている養育費だけでは足りないと感じている場合は、相手方と粘り強く交渉しましょう。
 

養育費は後で変更することもできる

養育費は、離婚時に決めた金額から増額したり、減額することができないわけではありません。
子どもが成長するにつれて、社会経済も親の経済状況も大きく変わるでしょう。
当初決めた養育費だけでは足りないと感じるようになった場合は、相手方と養育費の金額を変更するための交渉をしたり、家庭裁判所に養育費請求調停を申し立てることも検討してください。
 

まとめ

養育費の相場について年収別に確認してきました。
支払う側(非監護親)の年収が高く、受け取る側(監護親)の年収が低いほど、養育費の金額は高額になります。
また、15歳以上を目安に養育費の相場が上がるため、金額が少ないと感じたら、改めて交渉することも検討しましょう。
養育費の金額についてお悩みのことがある方は、早めに弁護士にご相談ください。

著者

後藤千絵先生
弁護士

後藤ごとう 千絵ちえ

京都府生まれ。滋賀県立膳所高校、大阪大学文学部卒業後、大手損害保険会社に総合職として入社。

30歳を過ぎてから法律の道を志し、2006年に旧司法試験に合格。

08年に弁護士登録し、2017年にスタッフ全員が女性であるフェリーチェ法律事務所を設立。

離婚や相続など、家族の事案を最も得意とし、近年は「モラハラ」対策にも力を入れている。

著作に「誰も教えてくれなかった離婚しないための結婚の基本」(KADOKAWA)、『職場の嫌な人から自分を守る言葉の護身術』(三笠書房)がある。

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