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騙された!遺産分割協議書に押印してしまったら,どうしたらいい?

はじめに

亡くなられた方が遺言書を作っていなかった場合,相続人が話合いをして遺産分割協議書を作成することになります。

この遺産分割協議書を作らないと,亡くなられた方の銀行口座からお金を引き出したり,所有の不動産の名義を変えることができないのです。

 

騙されてしまった

 

遺産分割協議書は相続人全員の意思の合致により成立します。

作成する際に,騙されたり,強迫されて無理矢理に遺産分割協議書に押印させられたという相談があります。

遺産を全部独占してやろうとか,自分に有利なようにしてやろうと悪いことを考える人が中にはいます。

 

騙されて遺産分割協議書に押印してしまった場合,どうなってしまうのでしょうか?

 

民法96条1項に『詐欺又は強迫による意思表示は,取り消すことが出来る』と記載されています。

詐欺や強迫によって遺産分割協議書に押印してしまった場合,その遺産分割を取り消すことができるということになります。

 

取り消しをすると全部が元通りになるのか

 

相続人のAさんが相続人であるBさんに騙されて遺産分割協議書に押印してしまった場合を考えてみましょう。

 

BさんはAさんを騙して,相続財産の宝石をBさんのものになるように遺産分割協議書を作りました。

Bさんはさっさと第三者のXさんにその宝石を売ってしまいました。

売った後にAさんは騙されたことに気付き,遺産分割協議は取り消すと主張しました。

 

この場合,遺産分割は取り消されたので,Xさんから宝石を返してもらうことが出来るのでしょうか。

 

答えは,第三者のXさんが,詐欺があったことを知っていたかどうかで変わってきます。

 

第三者のXさんが,詐欺があったことを知らなかった場合,遺産分割を取り消しても,AさんはXさんから宝石を取り戻すことが出来ません。このとき,Xさんのことを“善意の第三者”といいます。

もし,Xさんが,詐欺があったことを知っていた場合は,取り消すことが出来ます。

 

詐欺に限っては,相続人間では取り消すことが出来ても,善意の第三者に対しては取り消しの主張が出来ない場合があります。

それは強迫の場合と比べると,詐欺を見抜けなかった落ち度があるとされるからです。

 

まとめ

 

騙されて遺産分割協議書に押印してしまった場合は,“取り消す”ことが出来るといいましたが,実際には単純なトラブルだということの方が少ないです。

他にもいろいろな事情が重なり合っていることの方が多いので,騙されてしまったということであれば,すぐに弁護士にご相談下さい。

 

取り消しができないことも説明した通りなので,早めのご相談が功を奏します。

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