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事業承継とは?種類とメリットを解説

若年層の減少と超高齢化社会の到来により、日本全体が人手不足にあえいでいます。
このような背景の中、多くの地方企業が後継者不足に廃業しているそうです。つまり「事業承継」ができず、事業を次の世代に繋げることが難しくなっています。
しかし、事業承継の方法はひとつではなく、専門家が介入することで事業を継続できる可能性が高まることをご存じでしょうか。今回は事業承継の概要、種類、メリットについて解説します。

事業承継とはなにか?

事業承継とは、端的にいえば「会社の経営(事業)を誰かに引き継ぐこと」です。
企業のトップが引退するにあたり、後継者を指定し事業を継続します。しかし、人材不足など種々の事情から事業承継がスムーズにいかないケースが増えています。

特に中堅・中小企業では、創業者(オーナー社長)自身の経営手腕が、会社の強みになっているケースが少なくありません。この場合、単に後継者を指名すればよいというわけではなく、「誰」に「どのような形で」事業を引き継いでもらうかが重要です。

ちなみに、経済産業省が2017年に公表した調査結果によれば、事業承継問題によって「2025年頃までに約650万人の雇用消失、及び約22兆円のGDPが失われる可能性」が示唆されています。さらに帝国データバンクでは、全国33万社強を対象にした調査で、以下のような結果をはじき出しました。

・国内企業の3分の2にあたる66.5%で後継者が不在である
・後継者候補は40.5%が「子供」、31.4%が「非同族(親族以外の人間)」
・同族企業の66.9%で後継者が不在である。一方、後継者候補が「非同族」である企業における後継者不在率は3.7%にとどまる。

後継者不足問題はもはや日本全体を覆う社会問題になっており、決して他人事ではないのです。

事業承継の種類

事業承継には大きく2つの種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。

親族内承継

創業者や経営が高齢化などを理由に引退し、ご子息や血縁者へ事業を承継するタイプです。
M&Aが一般化する以前の日本では、事業承継の大半が親族内承継といっても過言ではない状態でした。親族内承継では、経営者の子息や配偶者、兄弟姉妹、子息の配偶者などから後継者を選定します。

○メリット
親族内承継は、従業員や取引先に理解されやすい方法といえます。M&Aによる事業承継が普及した今でもこの傾向は変わらず、「親の会社を子が継ぐ」ことで信用度が増したり、経営基盤の安定化をアピールできたりといったメリットは健在です。

○デメリット
親族であることの「馴れ合い」「非効率」「不合理」などを飲み込んでしまうと、その後の事業に悪影響を及ぼすでしょう。
逆に、これらのデメリットをうまく解消できるのであれば、悪い選択肢ではありません。
ただし、前述のとおり同族企業の66%以上が後継者不足問題を抱えていることから、まずは「後継者になる血縁者」を確定させることが先決です。

このとき、相続争いが起こらないように事業承継の計画をたてることも大切です。血縁者同士だからこそ、冷静かつ公平な視点をもった第三者の助言が必要なのです。

M&Aを活用した承継

M&Aは「Mergers(合併)and Acquisitions(買収)」の略称で、第三者に対する事業の売却もしくは合併を意味します。M&Aでは、単純な事業譲渡のみならず、「株式譲渡、第三者割当増資、株式交換」のように株式のやりとりで経営権を移転させる方法も選択できます。

○メリット
私情や相続問題を考慮せずに事業承継に取り組めます。また、極めて柔軟かつビジネスライクな事業承継が可能です。さらに、トップが引退しても会社は消滅しませんから、従業員の雇用や取引先との関係が守られます。ちなみに、承継する事業が好調であれば、経営者の手には売却益などの資産が残るケースも少なくありません。

○デメリット
個別の資産を管理し、取引ごとに譲渡の手続を行う必要があるなど、手続きが煩雑です。また、取引先との契約等がうまく引き継げない可能性もでてきます。
さらに、免許や許認可等の取り直し、譲渡益に対する課税なども考慮する必要があり、単独で進めるのは困難といえるでしょう。

事業承継を専門家に依頼すべき理由

このように事業承継は、どちらの方法を選択しても手間・労力・時間が必要です。また、経営権の集中や事業譲渡によって親族内に争いが起これば、事業承継とは別の問題(相続や遺留分侵害など)に飛び火する可能性もでてきます。さらに契約絡みの法律的なチェック、税金対策、納税資金の確保など、やるべきことは多岐にわたります。

こういった種々の難題を引き受け、現実的な事業承継計画を立案し、実行するのは「事業承継に強い弁護士」が最適です。事業承継には、「準備期間として5年から10年」が必要だといわれていることから、できるだけ早い相談をおすすめします。

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