神戸・西宮の相続対策に強い弁護士・法律事務所

  • 0798815965受付時間 平日7:00~夜間
  • 土日夜間も相談対応
  • お問い合わせ

相続財産調査とは?タイムリミットはどのくらい?

仮に身内が亡くなったとして、まず何をすべきでしょうか?葬儀の手配や遺品の整理ももちろん大切です。しかし、相続という観点から言うと「相続財産調査」がとても重要です。一般的に浸透していない「相続財産調査」は、一体どのようなことをすべきなのでしょうか。その内容や手順について解説します。

相続財産調査は「相続の第一段階」

相続財産調査は、簡単にいえば「遺産がどこに、どのようなかたちで、どれだけあるかを調べること」です。

遺産分割協議では「誰が」「何を」「どれだけ」受け継ぐかを話し合うわけですから、遺産の全容を把握することはとても大切です。また、遺産相続には「相続税」がかかることもあり、税金を確定させるためにも相続財産調査は急ぐべきだといえます。仮に相続税の納税が遅れると「延滞税」がかかりますし、計算を間違えると「過少申告税」、期限に間に合わないと「無申告加算税」が課されます。

では、実際の相続財産調査について、概要を説明します。相続財産調査は、以下2つの種類に分けられます。

1.相続財産の有無の調査
こちらは単純に「財産があるのかないのか」を調べることです。想定外の財産が存在すると、後々のトラブルや税の追納につながるため、財産の有無をしっかり調査することはとても大切です。

2.遺産の評価
財産があるとわかったとき、それらが一体どれだけの価値を持っているのかを評価します。価値がわからなければ、分割や税の計算が進まないためです。ただし、こちらについては不動産・金融などの専門知識が必要になるため、弁護士や税理士の力を借りることが多いでしょう。

相続財産の有無はどう調べれば良いの?

2の評価については専門家に任せるとして、1の財産の有無は専門知識がなくとも調査可能です。ただし、1点だけ忘れてはならないことがあります。それは「プラス、マイナス両方の財産を調べる」ということ。
相続財産は必ずプラスのものだけ、とは限りません。ときには借金や負債などが隠れていることもあります。また、マイナスのほうが著しく大きければ、相続人は「限定承認」や「相続放棄」の手続きにより、マイナスを受け継がないという選択も必要です。そのため、財産の有無は念入りに調査すべきです。

○プラスの財産として調査すべきもの
・不動産…「登記済権利証」や「登記識別方法」、「固定資産税の課税通知書」「不動産の登記事項証明書(法務局に請求)」など
・金融資産…被相続人(亡くなった方)名義の口座、株や債券など有価証券など
・動産…車や貴金属、美術品、骨とう品など
・事業用財産…事業に使っていた機械、原材料、売却前の商品、売掛金など
・無体財産権…特許権や商標権、著作権など
・その他…会員権(ゴルフ、リゾートなど)、生命保険など

○マイナスの財産として調査すべきもの
・借金…事業の借入金、住宅ローンなど
・保証債務…親族や他人の(連帯)保証人になっていないかなど
・未払い金…未払いの医療費、クレジットカードの未済残高など
・公租…未納のまま放置されている税金など

このように、ひとつひとつはそれほど調査が難しいものではありません。しかし、あちこちにプラス・マイナスの財産が散らばっていると、全容を把握するまでに時間がかかってしまいます。実は、相続財産調査は「3ヶ月」がひとつの目安になります。

なぜ3ヶ月が目安になるかというと、「相続放棄の期限(民法第915条1項)」が3ヶ月以内だからです。

“第915条 (相続の承認又は放棄をすべき期間)
1.相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。”

また、相続税の申告期限は「相続開始日の翌日から10か月以内」であるため、できるだけ早く財産調査を終える必要があります。

スピーディーかつ精密な財産調査は専門家へ

このように相続財産調査は、「財産の有無」を調べるだけでも相当の手間がかかります。また、税計算や遺産分割協議に向けて「財産の評価」もしなくてはなりません。葬儀や法要の手配と並行してこれらを進めるのは、なかなか骨の折れるもの。少しでも心労や手間を軽減するため、遺産相続で実績のある弁護士への依頼を検討してみてください。

その他のコラム

相続放棄に必要な書類は?続柄による違いに注意

相続放棄は、被相続人の借金など「負の遺産」の相続を回避する手段として知られています。被相続人の遺産を一切受け取 […]

詳しく見る

忌引き休暇で間に合わない!親が亡くなった際にまずすることとは?

最も身近な存在である「親」が亡くなったとき、何をしなければいけないか知っていますか?親が亡くなった直後は、葬儀 […]

詳しく見る

遺留分減殺請求について

  本来は「法定相続人」の立場になっているので遺産を相続できるはずだったのに、遺言が残されていたため […]

詳しく見る

遺産分割調停をするメリットとデメリット

遺言書がない、あるにはあるが内容に問題があるといった場合、遺産の分け方を巡って相続人同士でトラブルになってしま […]

詳しく見る

相続人の一人が所在不明。連絡が取れない場合

遺産の分け方を決める遺産分割協議は、相続人全員の合意がないと行うことができません。しかし、相続人の1人がどこに […]

詳しく見る

相続放棄後に莫大な財産が判明。放棄の撤回は可能?

相続人となった人は、故人の財産を相続するかどうかを自由に決められます。残された借金が明らかに多いケースなどでは […]

詳しく見る

相続人調査と遺産調査について

遺産相続するときには、相続人が全員参加して「遺産分割協議」をしなければなりませんが、その前提として「相続人調査 […]

詳しく見る

家族信託を弁護士に依頼した方がいい理由

はじめに 当事務所に寄せられたご質問にお答えいたします。   最近、知人から家族信託という制度がある […]

詳しく見る

相続「後」に遺言書が見つかった場合の処理

遺言は、人が自分の死後に備えて行う最終の意思表示のことをいいます。遺言は故人の最後の思いを表したものですので、 […]

詳しく見る

故人名義の口座が凍結されてしまったので解除したい

人が亡くなった場合、故人名義の銀行口座はいったん凍結されてしまいます。そして、口座が凍結されている間は原則とし […]

詳しく見る

早期に全力対応。まずはお気軽にお悩みをお聞かせください。

営業時間 平日・土日祝日7:00~24:00(メールは24時間受付可)