神戸・西宮の相続対策に強い弁護士・法律事務所

  • 0798815965受付時間 平日7:00~夜間
  • 土日夜間も相談対応
  • お問い合わせ

葬儀代の負担で揉めている。誰が払えばいいの!?

はじめに

人が亡くなると葬儀を行うと思います。

遺産分割が争いなくスムーズに行われている場合には,葬儀代をめぐって揉めることは少ないですが,遺産分割で揉めている場合は,葬儀代を誰が負担するのか,相続人間で揉めることがよくあります。

 

葬儀費用の相場

 

葬儀代の全国平均は約200万円です。

①葬儀社に支払う費用,

②火葬料や斎場使用料など,

③寺院への心付けなどの費用の合計です。

 

地域の慣習や規模によっても変わってくると思います。

 

葬儀代の負担

 

葬儀代は,

 1 香典から支払う

 2 相続人全員で負担する

 3 喪主が負担する

が考えられるのではないでしょうか。

 

名古屋高裁平成24年3月29日判決では,

*************************************

“・・・葬儀費用とは,死者の追悼儀式に要する費用及び埋葬等の行為 に要する費用(死体の検案に要する費用,死亡届に要する費用,死体の運搬 に要する費用及び火葬に要する費用等)と解されるが,亡くなった者が予め 自らの葬儀に関する契約を締結するなどしておらず,かつ,亡くなった者の 相続人や関係者の間で葬儀費用の負担についての合意がない場合においては, 追悼儀式に要する費用については同儀式を主宰した者,すなわち,自己の責 任と計算において,同儀式を準備し,手配等して挙行した者が負担し,埋葬 等の行為に要する費用については亡くなった者の祭祀承継者が負担するもの と解するのが相当である。 なぜならば,亡くなった者が予め自らの葬儀に関する契約を締結するなど しておらず,かつ,亡くなった者の相続人や関係者の間で葬儀費用の負担に ついての合意がない場合においては,追悼儀式を行うか否か,同儀式を行う にしても,同儀式の規模をどの程度にし,どれだけの費用をかけるかについ ては,もっぱら同儀式の主宰者がその責任において決定し,実施するもので あるから,同儀式を主宰する者が同費用を負担するのが相当であり,・・・”

*************************************

としており,喪主が負担するのが原則であるとしています。

 

香典から支払うのは?

 

そもそも香典とは,

個人の霊前に備える金品のことで,お香やお花の代わりとしてものです。

急な不幸で出費があるということの,助け合いの意味も込められているそうです。

 

では,香典は誰のものなのでしょうか。

喪主が葬儀費用を全額負担した場合は,香典は喪主のものになり,喪主に対する贈与として扱われます。

 

一方で,葬儀費用を相続人全員で負担した場合は,相続人全員で分けるのが一般的です。

 

相続財産から葬儀代を支払うのはいいの?

 

相続する財産から葬儀代を支払うことは可能です。

ただし,相続人全員の同意があればという条件が必要です。

無断で支払ってしまうと,後々,相続人間で新たな揉め事になる可能性があるので,相続財産から支払う場合は注意が必要です。

 

まとめ

 

実際,葬儀代を誰が負担するかは法律上の規定もなく,実務的には“場合による”という状況です。

 

相続人間のトラブルは故人が悲しんでしまいます。

 

トラブルを回避するためには遺言書で葬儀費用の負担について記載しておく方法もあります。

ですので,トラブルになったり,トラブルになりそうになったら早めに弁護士にご相談下さい。

 

その他のコラム

特別縁故者?内縁関係でも相続することが出来るの?

“相続”という言葉を聞くと,夫(妻),子どもしか関係ないと思ってらっしゃる方が多いと思います。しかし,婚姻届は […]

詳しく見る

未成年者がいる場合の遺産分割の方法、流れ、注意点

相続において、相続人になるのは成人のみではありませんよね。未成年者が相続人になる可能性も十分に考えられます。た […]

詳しく見る

忌引き休暇で間に合わない!親が亡くなった際にまずすることとは?

最も身近な存在である「親」が亡くなったとき、何をしなければいけないか知っていますか?親が亡くなった直後は、葬儀 […]

詳しく見る

相続人調査(戸籍収集)の必要性

相続にはさまざまな手続きが必要ですが、その中でも特に手間や労力がかかるのが「相続人調査(戸籍収集)」だといえま […]

詳しく見る

遺言書で隠し子の存在が判明しました。相続分は?

「あとに残された家族のためにも遺言状を書くべき」という話をよく聞きますよね。しかし、なかには遺言状の内容が原因 […]

詳しく見る

事業承継とは?種類とメリットを解説

若年層の減少と超高齢化社会の到来により、日本全体が人手不足にあえいでいます。 このような背景の中、多くの地方企 […]

詳しく見る

寄与分が認められる場合、認められない場合

相続では、法定相続分や遺留分に応じた「一定割合」の分割がある一方、特に貢献がある人に対しては「寄与分」という別 […]

詳しく見る

相続人の一人が所在不明。連絡が取れない場合

遺産の分け方を決める遺産分割協議は、相続人全員の合意がないと行うことができません。しかし、相続人の1人がどこに […]

詳しく見る

相続問題を弁護士に依頼する3つのメリットとは?

話し合いは、身内で済ませるという方が多い一方、何らかのトラブルが発生する可能性が高い「相続」の問題。たとえそれ […]

詳しく見る

胎児に相続権はありますか?

遺産相続では、遺産を受け継ぐ権利を「相続権」、その権利をもつ人を「相続人」と呼びます。しかし、まだ生まれていな […]

詳しく見る

早期に全力対応。まずはお気軽にお悩みをお聞かせください。

営業時間 平日・土日祝日7:00~24:00(メールは24時間受付可)