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離婚調停の申立て手続き完全ガイド|必要書類・流れ・費用・有利に進めるポイントを解説

2026-03-17
離婚

離婚調停の申立て手続きをわかりやすく解説。申立書の書き方・必要書類一覧・費用・調停の流れ・調停委員とのやり取り・有利に進めるポイント・不成立後の対応まで、弁護士監修で徹底ガイド。家庭裁判所への申立てを検討している方はぜひご覧ください。
 
「相手が離婚に応じてくれない」「話し合いが進まない」——そんな状況で次のステップとして検討されるのが離婚調停(夫婦関係調整調停)です。離婚調停は、家庭裁判所に申立てを行い、調停委員が間に入って夫婦間の話し合いを進める手続きです。
しかし、「申立書の書き方がわからない」「必要書類は何か」「費用はどのくらいかかるのか」など、初めて申立てを検討する方にとって不安なことは多いはずです。
本記事では、離婚調停の申立て手続きの流れ・必要書類・費用・調停当日の進め方・有利に進めるポイントまで、弁護士の視点でわかりやすく解説します。
 

離婚調停(夫婦関係調整調停)とは?

離婚調停の基本的な仕組み

離婚調停とは、家庭裁判所に申立てを行い、中立の立場にある調停委員(男女各1名)が夫婦の間に入って話し合いを進める手続きです。正式名称は「夫婦関係調整調停(離婚)」といい、協議離婚(話し合い)ではまとまらなかった離婚問題を解決するための制度です。
調停は非公開で行われ、双方が交互に調停室に入り、それぞれの言い分を調停委員に伝えます。調停委員が間に立って双方の意見を整理し、合意に向けたサポートをします。最終的に合意が成立すれば「調停調書」が作成され、その内容は確定判決と同等の効力を持ちます。
 

離婚調停と離婚裁判(訴訟)の違い

項目離婚調停離婚裁判(訴訟)
手続き話し合いによる合意を目指す裁判所が判決を下す
公開・非公開非公開(プライバシー保護)公開(原則)
費用比較的安い(収入印紙1,200円〜)高い(弁護士費用含め数十万円〜)
期間数ヶ月〜1年程度1年〜数年
結果双方合意が必要判決で強制的に決定

離婚調停のメリット・デメリット

【メリット】
  • 費用が比較的安く、弁護士なしでも申立て可能
  • 非公開のため、プライバシーが守られる
  • 調停委員が間に入るため、感情的な対立を和らげやすい
  • 財産分与・親権・養育費・慰謝料・年金分割など、離婚条件を一括して話し合える
【デメリット】
  • 相手が出席しない・合意しない場合は成立しない
  • 複数回の期日が必要なため、解決まで時間がかかることもある
  • 調停が不成立の場合は、別途裁判(訴訟)を起こす必要がある

離婚調停の申立て手続きの流れ

離婚調停の申立てから解決まで、大きく以下のステップで進みます。
 

  • STEP 1 家庭裁判所に申立書と必要書類を提出
  • STEP 2 裁判所から相手方に呼出状が送付される
  • STEP 3 第1回調停期日(調停委員を交えた話し合い開始)
  • STEP 4 複数回の調停期日を経て話し合いを継続
  • STEP 5 合意成立 → 調停調書の作成 → 調停離婚成立
  •  ↓不成立 調停不成立 → 離婚裁判(訴訟)へ移行も可能

申立先の家庭裁判所はどこ?

離婚調停の申立ては、原則として相手方(申立てをされる側)の住所地を管轄する家庭裁判所に行います。ただし、双方の合意がある場合は、申立人の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てることも可能です。引っ越しや別居によって相手方の住所が不明な場合は、弁護士に相談して対応策を確認しましょう。
 

調停期日の進め方と当日の雰囲気

調停期日は通常、平日に家庭裁判所で行われます。申立人と相手方は別々の待合室で待機し、交互に調停室に入って調停委員と話します。同席することは原則なく、調停委員が双方の意見を聞いて伝達役を担います。
1回の期日の所要時間は2〜3時間程度で、1〜2ヶ月に1回のペースで期日が設けられます。調停が成立するまでの期日回数は平均3〜5回程度ですが、争点が多い場合はさらに長引くこともあります。
 

離婚調停の申立てに必要な書類一覧

基本的な必要書類(離婚のみを求める場合)

書類名備考・入手先
申立書(正本1部・副本1部)裁判所のホームページからダウンロード可能
夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)本籍地の市区町村役所にて取得
収入印紙(1,200円分)申立書に貼付。郵便局・裁判所内で購入可
郵便切手(裁判所指定の額)各家庭裁判所のホームページで確認
申立人の住民票(必要に応じて)住所地の市区町村役所にて取得

財産分与・養育費・年金分割なども求める場合の追加書類

  • 財産分与を求める場合:不動産登記簿謄本、預貯金通帳のコピー(写し)、源泉徴収票など
  • 養育費・婚姻費用を求める場合:双方の源泉徴収票または確定申告書の写し
  • 年金分割を求める場合:年金事務所発行の「情報通知書」(年金分割のための情報通知書)
  • DV・モラハラがある場合:診断書・録音データ・写真など証拠資料のコピー

申立書の書き方のポイント

申立書は裁判所のホームページ(最高裁判所・各家庭裁判所)から書式をダウンロードできます。記載すべき主な項目は、申立人・相手方の氏名と住所、申立の趣旨(離婚の希望・求める条件)、申立の理由(婚姻関係が破綻した経緯)などです。
申立書の書き方のポイントとして、感情的な表現を避け、事実に基づいた具体的な記載をすることが重要です。また、必要事項を漏れなく記入し、書類はコピーを必ず手元に保管しておきましょう。記入が不安な場合は弁護士に作成のサポートを依頼することもできます。
 

相手方に住所を知られたくない場合の対応

DVやストーカー被害がある場合など、相手方に住所を知られたくないケースでは、「住所非開示の申出」を行うことができます。申立時に「非開示の希望に関する申出書」を提出し、裁判所に住所の非開示を申請してください。申請が認められれば、相手方に住所が伝わらないよう配慮されます。このような状況にある場合は、事前に家庭裁判所の窓口か弁護士に相談することをお勧めします。
 

離婚調停にかかる費用

申立てにかかる費用(自分で申立てる場合)

費用項目金額目安
収入印紙代(申立手数料)1,200円(離婚のみの場合)
郵便切手代(連絡用)各裁判所によって異なる(目安:1,000〜2,000円程度)
戸籍謄本取得費用1通450円(本籍地の市区町村)
住民票取得費用1通300円(住所地の市区町村)
その他証明書類の取得費用財産関連書類・源泉徴収票等による

 
離婚調停の申立て手数料は収入印紙1,200円と非常に安価ですが、財産分与・養育費・年金分割など複数の調停を同時に申立てる場合は、申立書ごとに収入印紙が必要になります。
 

弁護士に依頼する場合の費用相場

弁護士に離婚調停を依頼する場合の費用相場は以下のとおりです。弁護士事務所によって異なりますが、一般的な目安として参考にしてください。
 

  • 着手金:20万〜50万円程度
  • 報酬金(調停成立時):20万〜50万円程度
  • 実費(交通費・郵送費等):別途
  • 初回相談料:無料〜1万円程度(無料の事務所が多い)

 
弁護士費用の負担は決して小さくありませんが、複雑な案件・相手方が強硬な場合・財産分与や親権が争点となる場合などは、弁護士に依頼することで有利な条件での解決が期待できます。費用対効果を考慮のうえ、判断しましょう。
 

離婚調停中にやってはいけないこと・注意点

①感情的な発言・相手への攻撃は避ける

調停委員は中立の立場で話を聞きますが、感情的な発言や相手を一方的に攻撃するような言動は、調停委員の心証を悪化させる可能性があります。感情をコントロールし、事実に基づいた冷静な主張を心がけましょう。
 

②相手と直接連絡・交渉しない

調停中は、相手方と直接連絡や交渉を行うと、調停の進行に支障が出たり、余計なトラブルを招いたりする可能性があります。連絡が必要な場合は弁護士を通じて行うか、調停委員に伝達を依頼しましょう。DV・モラハラがある場合は特に注意が必要です。
 

③不貞行為など有責行為を起こさない

調停中に新たな不貞行為(浮気・不倫)や問題行動を起こすと、「有責配偶者」と認定されるリスクが高まり、離婚条件で大幅に不利になる可能性があります。慰謝料を請求される立場になることも考えられるため、調停期間中の行動には十分注意が必要です。
 

④欠席・無断欠席は絶対に避ける

調停期日への無断欠席は、調停の進行を大幅に遅らせるだけでなく、裁判所の心証を著しく悪化させます。相手方が欠席した場合は調停不成立になる可能性がありますが、申立人側が欠席すると申立て自体が取り下げとみなされる場合もあります。やむを得ない事情がある場合は、必ず事前に裁判所に連絡を入れてください。
 

離婚調停を有利に進めるための6つのポイント

①証拠をしっかり準備する

調停では証拠の有無が交渉力を大きく左右します。相手の不貞行為(浮気・不倫)、DV・モラハラの証拠(診断書・録音・写真)、財産状況を示す証拠(預貯金通帳の写し・不動産登記簿)などを事前に整理して準備しておきましょう。
 

②主張内容を整理して「調停委員に伝わる」説明を心がける

調停委員は法律の専門家でない場合もあります。難しい法律用語を並べるより、「なぜ離婚したいのか」「どのような条件を求めるのか」を具体的・簡潔に伝えることが重要です。主張したい要点をメモにまとめて持参するのも有効です。
 

③財産分与・養育費・親権の希望を明確にする

「離婚したい」という意思だけでなく、財産分与の分割方法・子どもの親権・養育費の金額・面会交流の条件など、具体的な希望条件を整理して臨むことで、調停がスムーズに進みます。法的な相場(養育費算定表など)を確認しておくと交渉力が上がります。
 

④調停委員との信頼関係を大切にする

調停委員は双方の意見を裁判所に伝え、合意に向けたサポートをする存在です。調停委員に信頼してもらうことが、調停を有利に進める鍵となります。冷静・誠実な態度を維持し、感情的な対立は避けましょう。
 

⑤弁護士を代理人として立てる

弁護士を代理人として立てることで、法的に有効な主張・証拠の整理・交渉戦略の立案・書類作成のサポートなど、多方面でのサポートを受けられます。特に相手方が弁護士を立てている場合、自分だけ弁護士なしで臨むと著しく不利になるリスクがあります。
 

⑥別居を先行させて実績を作る

長期間の別居は「婚姻関係の破綻」を示す証拠になり、調停・裁判で有利に働きます。別居期間の開始日・理由・経緯を記録しておくことで、調停の場で主張を強化できます。別居中の婚姻費用(生活費)の請求も忘れずに行いましょう。
 

離婚調停で話し合う主な内容

離婚調停では、「離婚するかどうか」だけでなく、離婚後の各条件についても一括して話し合うことができます。主な話し合いの内容は以下のとおりです。
 

  • 離婚の合意(離婚するかどうか)
  • 財産分与(婚姻中に築いた財産の分配)
  • 親権・監護権(子どもをどちらが育てるか)
  • 養育費(子どもを育てない側が支払う費用・金額・期間)
  • 面会交流(離婚後の子どもと非監護親との交流方法)
  • 慰謝料(有責行為があった場合の損害賠償)
  • 婚姻費用(別居中の生活費の分担)
  • 年金分割(婚姻中の厚生年金の分割)

 
これらのすべてについて合意できた場合に「調停調書」が作成され、調停離婚が成立します。合意内容は確定判決と同等の効力を持つため、後から一方的に覆すことはできません。
 

離婚調停が不成立だった場合の対応

調停不成立になるケース

以下のような場合、調停は不成立(打ち切り)となります。
 

  • 相手方が調停に欠席し続ける
  • 相手方が離婚そのものを拒否し、条件交渉が進まない
  • 財産分与・養育費・親権などの条件で双方の合意が得られない

調停不成立後は離婚裁判(訴訟)へ

調停が不成立となった場合、次のステップとして「離婚裁判(訴訟)」を起こすことができます。裁判では法定離婚原因(不貞行為・DV・悪意の遺棄・婚姻を継続し難い重大な事由など)が必要ですが、証拠と主張が認められれば裁判所が判決で離婚を命じることができます。
なお、離婚裁判を起こすには原則として先に調停の手続きを経ることが必要です(調停前置主義)。調停を経ずに裁判を起こすことは原則できないため、まず調停の申立てを行うことが重要です。
 

よくある質問(FAQ)

Q. 離婚調停は弁護士なしでも申立てできますか?

A. はい、弁護士なしでも申立て可能です。調停は比較的手続きが簡単で、裁判所のホームページで書式や記載例も公開されています。ただし、財産分与・親権・慰謝料などが争点となる場合や、相手が弁護士を立てている場合は、弁護士に依頼することを強くお勧めします。
 

Q. 調停申立てから解決まで、どのくらい期間がかかりますか?

A. 平均的な期間は半年〜1年程度です。合意の難易度・争点の多さ・双方の協力度合いによって大きく異なります。早期解決を希望する場合は、弁護士に依頼して調停を効率的に進めることが有効です。
 

Q. 相手が調停に来なかった場合はどうなりますか?

A. 相手方が正当な理由なく調停期日を欠席した場合、調停不成立となります。その後は離婚裁判(訴訟)に移行することができます。また、相手が調停に出席しない場合でも、その事実は後の裁判で「婚姻関係の破綻」を示す事情の一つとして考慮される場合があります。
 

Q. 調停調書はどのような効力を持ちますか?

A. 調停調書は確定判決と同等の効力を持ちます。相手方が調停調書の内容(養育費の支払いなど)を履行しない場合は、強制執行(給与や財産の差し押さえ)の申立てが可能です。このため、調停が成立した際は内容をしっかり確認してから合意するようにしましょう。
 

離婚調停は弁護士に依頼するべき?

離婚調停を弁護士に依頼するメリットは多岐にわたります。特に以下のケースでは、弁護士への依頼を強くお勧めします。
 

  • 相手方が弁護士を立てており、交渉力に差が生じる可能性がある
  • DV・モラハラ・不貞行為があり、証拠の取り扱いに不安がある
  • 財産分与・親権・慰謝料など複数の条件が争点になっている
  • 相手方が感情的で話し合いが難航している
  • 調停不成立後の裁判(訴訟)も視野に入れている

 
弁護士に依頼することで、法的に有効な証拠の整理・申立書の作成サポート・調停委員への的確な主張・相手方との交渉の代理などを任せることができます。依頼費用はかかりますが、長期化を防ぎ有利な条件で解決できる可能性が高まるという点で、費用対効果は十分に期待できます。当事務所では初回相談を無料で承っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
 

まとめ

離婚調停の申立て手続きについて、本記事のポイントをまとめます。
 

  • 離婚調停は家庭裁判所に申立てを行い、調停委員が間に入って話し合いを進める手続き
  • 申立て費用は収入印紙1,200円〜と安価で、弁護士なしでも申立て可能
  • 必要書類は申立書・戸籍謄本・収入印紙・郵便切手などが基本
  • 調停で財産分与・親権・養育費・慰謝料・年金分割なども一括して話し合える
  • 調停中は冷静な態度を保ち、証拠を整理して臨むことが有利に進める鍵
  • 調停が不成立の場合は離婚裁判(訴訟)に移行できる
  • 弁護士に依頼することで、より有利かつスムーズな解決が期待できる

 
離婚調停の申立てや手続きに不安がある方、相手が強硬で困っている方は、ぜひ当事務所の弁護士にご相談ください。初回相談は無料で対応しております。

著者

後藤千絵先生
弁護士

後藤ごとう 千絵ちえ

京都府生まれ。滋賀県立膳所高校、大阪大学文学部卒業後、大手損害保険会社に総合職として入社。

30歳を過ぎてから法律の道を志し、2006年に旧司法試験に合格。

08年に弁護士登録し、2017年にスタッフ全員が女性であるフェリーチェ法律事務所を設立。

離婚や相続など、家族の事案を最も得意とし、近年は「モラハラ」対策にも力を入れている。

著作に「誰も教えてくれなかった離婚しないための結婚の基本」(KADOKAWA)、『職場の嫌な人から自分を守る言葉の護身術』(三笠書房)がある。

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