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婚姻破棄に基づく損害賠償

2020-08-24
離婚

婚約が決まっていた相手と突然婚姻破棄となってしまった場合、損害賠償を請求できます。
もし婚姻を行う義務が果たされず、また正当な理由もなく婚姻破棄となった場合、相手は債務不履行責任を負うことになるので、損害賠償の請求が可能です。
ただし、請求には条件があり、また金額にも相場があります。
今回は婚姻破棄をされた時の損害賠償請求の条件や相場、他に請求できるものについて解説しましょう。

 

婚姻破棄で賠償請求できる条件

婚姻破棄で精神的な損害を受けた場合、慰謝料の請求が可能です。
しかし、請求が通るかどうかは次の条件を満たしている必要があります。
 

婚約が成立している

まず、男女の間で本当に婚約が成立していたのかはっきりさせなければなりません。
婚約自体は口頭でも成立します。
しかし、慰謝料請求の際に、婚約の成立について相手と争う可能性もあるでしょう。
その場合、婚約成立の事実を証明する必要があります。
婚約成立を証明できるものには、婚約指輪や両親または友人などに婚姻の意思表明、式場の予約が挙げられるでしょう。
また、交際期間や肉体関係の有無、肉体関係が続いた期間の長さなども含めて、婚姻することへの合意が成立したかどうかが判断されます。
もし婚約の意思表明などなく、一方的な勘違いであれば賠償請求は通らない可能性があります。
 

破棄や請求に正当性があるか

損害賠償を請求するためには、婚姻破棄の理由や請求内容は正当であるかどうかも重要です。
例えば、婚姻破棄ができる正当な理由には、次のものが挙げられます。
 

  • 相手の浮気(肉体関係あり)
  • 暴力やモラハラを受けている
  • 結婚式直前で相手の行方が分からなくなる
  • 結婚式の当日や初夜に相手の社会常識を逸脱した異常な言動がある
  • 第三者と事実上の婚姻関係である など

このような理由は、相手に抱いていた気持ちが冷めてしまう原因として認められ、また精神的な損害を受けたとして慰謝料の請求も通りやすいです。
逆に自分から婚姻破棄をする場合、性格の不一致や容姿への不満、親からの反対、他に好きな人ができたなど勝手な理由での破棄は正当な理由にはなりません。
正当な理由なしで相手から一方的に破棄された場合は、そのことへの精神的ダメージを受けたとして慰謝料を請求できる可能性は高いです。

 

請求できる金額の相場

婚姻破棄で慰謝料の請求を考えた時、まずはどれくらい取れるのか把握しておく必要があります。
慰謝料の金額は破棄の理由や状況などに応じて異なりますが、一般的な目安があります。
相手が払えそうもない金額を請求したところで却下される可能性が高いので、慰謝料の相場を確認しておきましょう。
 

婚約者に請求できる慰謝料の相場

婚約者に請求できる慰謝料の相場は50万円~200万円以上と幅広いです。
そもそも慰謝料とは精神的な苦痛をお金で評価するものなので、受けたダメージの大きさで金額は変わってきます。
ただし、増額が認められる理由が存在した時にしか相場以上の慰謝料請求は通らないので、だいたい100万円が妥当と判断されるケースが多いです。
 

第三者に請求する場合の慰謝料の相場

破棄の理由が不貞であった場合は相手の浮気相手、相手両親からの反対であった場合は相手両親という風に、第三者に請求できる場合があります。
この場合も、婚約者と同じく50~200万円が相場です。
ただし、悪質性が高い場合は相場以上の金額で請求できる可能性があります。

 

婚姻破棄の慰謝料を増額するポイント

婚姻破棄の慰謝料を増額させるにはいくつかポイントがあるので見ていきましょう。
 

結婚の準備が進行している

結婚準備とは、結納や両家との顔合わせ、結婚式場の予約、周りの人への結婚報告、新居の契約、引っ越し準備などのことです。
この準備が進めば進んでいるほど、悪質性のある破棄と見なされて慰謝料アップに期待できます。
 

同棲や妊娠の有無

婚約が成立している状態で同性している場合、すでに婚姻生活が始まっていると認められることがあり、破棄は裏切り行為にあたるので増額できる可能性が高いといえます。
また、女性側が妊娠している場合、生んでも中絶しても女性の負担は大きいので増額が見込めます。
 

浮気されていた

浮気はされていた側にとって大きな裏切りであり、精神的な苦痛を受ける行為として増額が認められます。
また、浮気相手を特定している場合は、その相手にも請求可能です。
 

結婚成立からかなりの期間が経っている

婚約の成立から長い期間が経っている場合、結婚への期待が高まっているといえます。
ほぼ結婚確定と言える状態での破棄は悪質性が高く、期間が浅いケースよりも高い慰謝料を請求できます。
 

結婚適齢期を過ぎている

女性の場合、一定の年齢を超えると出産の難易度が上がります。
さらに、結婚の適齢期を過ぎると相手探しも苦労するでしょう。
出産や結婚適齢期を過ぎての婚姻破棄は精神的な苦痛を与える原因として、増額できる可能性があります。
 

婚約をきっかけに退職している

例えば、専業主婦になってほしいと言われて婚約を機に退職する場合、寿退社への罪悪感を持つ人は多いです。
さらにその後に婚姻破棄された場合、再就職が必要となります。
年齢やキャリアによっては再就職活動が困難になるケースもあるでしょう。
婚約後の退職は意外に大きな精神的ダメージを与えるものなので、増額の対象として認められやすいです。

 

慰謝料以外に請求できる賠償

慰謝料は精神的な苦痛に支払われる損害賠償ですが、婚姻破棄では他にも財産的な損害分の請求も可能です。
財産的損害とは、結婚披露宴の費用や式場のキャンセル費、新婚旅行の申込金、転居関連の費用などが挙げられます。
結婚を前提に買った家具や家電などの購入費も請求対象になりますが、破棄後も使用できるかどうか、市場価格なども考慮された上で判断されます。
婚約をきっかけに破棄した側の強い意思で退職を余儀なくされた場合、本来なら得られていた収入を得られない状況なったとみなされ、損害が認められる可能性が高いです。
結婚の準備にあたり発生した支出に応じて、慰謝料以外の金銭を請求できる場合があるので、支出をはっきりさせておきましょう。
 

まとめ

婚約の成立や精神的な苦痛を受けた理由があれば、婚姻破棄の際に損害賠償の請求は可能です。

ただし、金額の設定や請求が認められるかどうかは、弁護士に判断してもらった方が良いでしょう。

弁護士なら損害賠償の請求が有利になるようにサポートしてくれるので、請求を成功させたい方は相談をおすすめします。

著者

後藤千絵先生
弁護士

後藤ごとう 千絵ちえ

京都府生まれ。滋賀県立膳所高校、大阪大学文学部卒業後、大手損害保険会社に総合職として入社。

30歳を過ぎてから法律の道を志し、2006年に旧司法試験に合格。

08年に弁護士登録し、2017年にスタッフ全員が女性であるフェリーチェ法律事務所を設立。

離婚や相続など、家族の事案を最も得意とし、近年は「モラハラ」対策にも力を入れている。

著作に「誰も教えてくれなかった離婚しないための結婚の基本」(KADOKAWA)、『職場の嫌な人から自分を守る言葉の護身術』(三笠書房)がある。

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