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慰謝料が請求できない?夫婦関係が破綻している状況とは?

2020-06-26
離婚

不倫をされた場合などに、慰謝料を請求することがあります。
しかし、不倫をしても夫婦関係が破綻していると認められた場合、慰謝料を請求できない可能性があるのです。
どの程度の状態だと破綻しているとみなされるのかは分からない人は、きっと多いはずです。
そこで今回は、慰謝料が請求できない破綻の状態についてみていくことにしましょう。

 

別居している場合

夫婦関係の破綻が認められる一つの要因として、「夫婦が別居している状態にある」ということが挙げられます。
不貞行為以前に別居しているという事実がある場合や、夫婦が長期間別居をしているような場合は破綻していると認められやすくなります。
長期間別居している場合でも正当な理由がある場合は婚姻関係が破綻しているとは認められません。
 

・正当な理由

転勤に伴う家族での引越しが難しく単身赴任を行っているケースだと正当な別居の理由とみなされます。
また、病気による長期入院や子どもを進学校に入れるために妻と子どもが引っ越した場合も別居の正当な理由とされます。
 

・別居の期間

夫婦関係が破綻していると見なされる別居の期間は、条件や同居していた期間によって変わってきます。
同居していた期間が短ければ別居期間が短くても破綻と認められる場合があります。
子どもの有無も別居期間に関係していて、子どもがいる場合は3~5年は別居していないと破綻は認められないでしょう。

 

離婚に関する協議の有無

不貞行為以前にしっかりとした離婚に関する協議が行われている場合、夫婦関係が破綻していると認められるケースがあります。
しっかりとした離婚に関する協議とは、どちらかが離婚したいと口にするだけでは認められず、具体的な協議がなされていることが重要です。
お互いの両親を交えるなどして、離婚の理由や養育費、財産分葉などの協議が行われている場合、破綻が認められます。
 

・相手が離婚を望まないケース

離婚に関する協議が行われない、どうしても協議が行われない場合、調停を申し立てるということも考えられるでしょう。
調停申し立て期間委話し合いが行われれば、破綻は認められやすくなります。
期間内に相手が話し合いに来なかったとしても、話し合いの機会を与えたとして、破綻を認める実績になります。

 

夫婦間の接触の有無

仮に同居をしていた場合でも夫婦間の接触がない場合、破綻が認められるケースがあります。
この場合の接触は身体的なもの以外も含まれます。
家に帰ってきてもお互いに顔を合わさず、共働きで生活費は自己負担、居室が違いただ同じ家にいるという状態は接触がないといえます。
このようないわゆる「家庭内別居」と言われる状態も破綻の要因です。
しかし、接触の有無に関しては家庭内のことになるので裁判所なども深入りすることはできず、客観視も難しいです。
そのため裁判所が家庭内別居の事実を認定できず、破綻しているという決定を躊躇します。
家庭内別居についても破綻の認定については別居と同様に長期にわたってその状態が続いていることが条件になります。

 

その他に認められる例

これまで述べてきた条件の他にも夫婦関係が破綻していると考えられるケースがいくつかあります。
続いては、そのケースについてご紹介しましょう。
 

・DV、モラルハラスメント

夫婦間でDVやモラルハラスメント行為が行われている場合には夫婦間家が破綻していると認められます。
 

・お互いに修復する意思がない

夫婦間の関係が悪化していた、疎遠になったとしてもお互いに関係を修復する意思を失ったといった場合、破綻していると認定されます。
 

・性の不一致

性交渉を拒絶や性生活の嗜好が合わない、長期に及ぶセックスレス状態になり性の不一致がある場合も夫婦関係が破綻していると認められるケースがあります。
 

・夫婦間家の悪化

どちらかの多額の借金や性格が合わないことによる不和、著しい宗教活動など様々な理由で夫婦関係が極端に悪化している場合、破綻していると認められます。
 

・不就労や浪費などの経済的理由

健康上の問題がないにも関わらず働かない、浪費癖があって多額の借金などがあるなどといった経済的な事情でも夫婦関係が破綻していると認定されるケースがあります。
 

・犯罪行為

配偶者のどちらかが犯罪行為をした場合、その犯罪の内容や刑事処分、犯罪歴などの事情から破綻していると認められるケースがあります。
刑務所に収監されることになった場合、関係が破綻していると認められる場合があります。

 

なぜ破綻していると慰謝料を請求できないのか

不倫などの不貞行為において慰謝料が請求できるのは不貞行為によって配偶者との婚姻生活の平和を乱した、平和を維持するという権利や法的な保護名などの利益を侵害した賠償にあたります。
しかし、不貞行為が行われる以前に夫婦関係が破綻しているとすると、権利や法的な保護といった利益はなく、侵害していないとされます。
そのため賠償を払う必要がないので、慰謝料を払う義務がなくなるということになります。

 
慰謝料が請求できない破綻の状況についてみてきました。
実際の裁判では夫婦関係が破綻していると慰謝料がゼロになることから、不倫の被害者には酷な判決となります。
そのため破綻認定がされるには相当限定され、厳格な判断になります。
ある一部を切り取って判断するのはかなり難しいといえるでしょう。

著者

後藤千絵先生
弁護士

後藤ごとう 千絵ちえ

京都府生まれ。滋賀県立膳所高校、大阪大学文学部卒業後、大手損害保険会社に総合職として入社。

30歳を過ぎてから法律の道を志し、2006年に旧司法試験に合格。

08年に弁護士登録し、2017年にスタッフ全員が女性であるフェリーチェ法律事務所を設立。

離婚や相続など、家族の事案を最も得意とし、近年は「モラハラ」対策にも力を入れている。

著作に「誰も教えてくれなかった離婚しないための結婚の基本」(KADOKAWA)、『職場の嫌な人から自分を守る言葉の護身術』(三笠書房)がある。

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