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法的観点から「コロナ離婚」を考える

2020-06-09
離婚

コロナ離婚の背景

「新型コロナウイルス感染拡大防止のためリモートワークや休業によって、普段はいないはずの夫が自宅に居る、さらに外出自粛により休日に出かけることもままならない。」
その結果、今までに経験したことのない長時間を一緒に過ごすことになった夫婦は多いのではないでしょうか?
 

  • 何かと神経質(無神経)で高圧的な配偶者の性格に気づいた
  • いざ二人になるとまったく会話がなく、老後のことを考えると不安だ
  • 家事や育児を一切手伝おうとしない
  • 経済的、社会的不安から苛立ちをあらわにし、暴言を吐き、ときには暴力を振るう

 
このような事情が重なって、離婚のきっかけとなったり、あるいは、離婚への後押しとなる場合が多いようです。
 

離婚原因

離婚には協議離婚と裁判上の離婚があります。
 

協議離婚

夫婦が話し合いで合意すれば、どのような理由であっても離婚できます。
話し合っても相手が応じない場合には離婚調停、離婚条件をめぐって折り合いがつかない場合には離婚訴訟を起こすことになります。
 

裁判上の離婚

裁判で離婚が認められる条件として以下の5つがあります
 

  • ①不貞行為
  • ②悪意の遺棄
  • ③3年以上の生死不明
  • ④強度の精神病
  • ⑤その他婚姻を継続しがたい重大な事由

 
このうち、コロナ離婚では⑤に該当するかどうかが重要となります。
⑤の条件は内容が漠然としていることから、①から④と同程度に重大と認められる必要があります。具体的には、緊急事態宣言が出された2020年3月以降の状況のみならず、様々な事情を総合して判断することになります。たとえば、性格の不一致や別居期間の長短、それ以前からの暴行や虐待の有無といった事情が考慮されます。  
これらを総合して、婚姻関係の修復が客観的にも無理と判断されれば、婚姻関係が破綻したものとして⑤の条件を満たすことになります。
「コロナに対する危機管理意識が違う」「お互いストレスで些細なことで言い争う」「非常時に至って初めて相手の本性を知った」この程度のレベルでは破綻とは認められにくいでしょう。
ただし、ドメスティックバイオレンス(家庭内暴力 以下、「DV」といいます。)やモラルハラスメント(精神的暴力 以下、「モラハラ」といいます。)を伴う場合には、話は別です。
 

DV・モラハラ

 

まず、逃げる

数ヶ月に及んで自宅内という閉塞した環境でDV、モラハラを受けている場合は、肉体的にも精神的にも極めて追い詰められていることが懸念されます。このような状況では離婚請求よりも、まず、身の安全・精神的な安定を早急に図ることが大事です。
DVに関しては、警察や配偶者暴力相談支援センターに連絡をとると同時に、裁判所に対して、以下のような保護命令申立てを行います。
 

  • ①接近禁止命令
  • ②子への接近禁止命令
  • ③親族等への接近禁止命令
  • ④電話等禁止命令

 
命令は申し立てから12日程度で出されます。緊急事態宣言が出ている場合でも、裁判所は急を要する事件として対応しています。
また、避難先として実家に帰る等が困難な場合には、支援センターから緊急の宿泊先を紹介してもらうこともできます。
モラハラについても、同様の対応がされています。
 

離婚~慰謝料請求に向けて

DV及びモラハラについて、民法上、離婚原因と直接明記したものはありませんが、先に述べた裁判上の離婚の条件⑤「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当します。
被害者としては「とにかく逃れたい」「離婚さえできれば」との気持ちが大きくなりがちですが、被害の回復や離婚後の生活に向けて何らかの手当が加害者からなされて然るべきとの意識を強く持ちましょう。そのためには、離婚請求のみならず慰謝料請求も視野に入れて準備する必要があります。慰謝料金額は証拠収集の程度や交渉方法によって、相当程度変わってくるからです。
 

証拠の収集

DVについては、通常、被害者配偶者に外傷が生じることが多く、傷の写真、または、暴力現場の隠しカメラ映像などで、加害行為があったことの立証がしやすくなります。
これに対し、モラハラについては、侮辱的、脅迫的な発言、暴言を長い年月をかけて行い、徐々に精神的に追い込まれる場合が多く、加害行為の立証だけでなく、精神的な損害の認定も困難が伴います。こまめに暴言等をボイスレコーダーや隠しカメラで記録し、心療内科等の診断書、さらには精神的苦痛を吐露した日記の保存も有効です。
 

離婚請求、慰謝料請求

DV、モラハラの事実が証拠で認定されれば、婚姻関係が破綻したものとして「婚姻を継続しがたい重大な事由」の条件を満たすことになります。これにより、加害配偶者の同意なく、被害配偶者の一方的な意思で離婚ができます。
また、離婚に際して財産分与が行われますが、DV、モラハラの場合、財産分与の中に慰謝料請求も含めて処理されることになります。
 

最後に

コロナ感染拡大により我々のライフスタイルは大きな変容を余儀なくされました。当然、夫婦の形も影響をうけます。「コロナさえ収束すれば」「もとどおりの生活に戻りさえすれば」とギクシャクした夫婦の関係に目をつぶるのもやむを得ないかもしれません。
しかし、夫婦の信頼関係を揺るがす根深い問題がコロナをきっかけにあかるみになった場合もあるでしょう。また、期待している「もとどおりの生活」が戻ってくる保証がない場合もあります。ご自身がこれからどのような人生を送りたいのか再確認するためにも、一度弁護士にご相談ください。離婚に向けて、あるいは、夫婦関係の修復に向けて、必要な証拠や資料について、さらには具体的な交渉過程でお役に立てるはずです。

著者

後藤千絵先生
弁護士

後藤ごとう 千絵ちえ

京都府生まれ。滋賀県立膳所高校、大阪大学文学部卒業後、大手損害保険会社に総合職として入社。

30歳を過ぎてから法律の道を志し、2006年に旧司法試験に合格。

08年に弁護士登録し、2017年にスタッフ全員が女性であるフェリーチェ法律事務所を設立。

離婚や相続など、家族の事案を最も得意とし、近年は「モラハラ」対策にも力を入れている。

著作に「誰も教えてくれなかった離婚しないための結婚の基本」(KADOKAWA)、『職場の嫌な人から自分を守る言葉の護身術』(三笠書房)がある。

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