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特有財産は財産分与の対象とならない?

2020-04-28
離婚

財産分与とは

財産分与とは、離婚の際に、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産を相互に分配することをいいます。
民法768条1項では、離婚した者の「一方」が相手方に対して「財産」の「分与」を請求できるとしています。
 

離婚した者の「一方」

財産分与の目的は夫婦の共有財産を清算することなので、自身が夫婦関係を壊す原因を作ったとしても、財産分与を請求することができます。つまり、有責配偶者でも財産分与請求ができるのです。不倫や暴力のといった離婚原因に対する精神的苦痛への慰謝料とは区別して考えます。
 

分与

配分に関しては法律上の規定はありませんが、裁判や協議の場では『2分の1ルール』が原則とされています。一方が専業主婦(主夫)であっても同様です。夫婦は共有財産の形成に関して協力し合い平等に貢献したとの解釈によるものです。
 

財産

財産分与の対象は、原則として、婚姻中に夫婦で協力して築いた財産、すなわち共有財産です。預金名義や不動産登記名義など、夫婦のいずれ名義であるかを問いません(実質的共有財産)。また、借金等の負の財産も対象となります。
そして、ここには特有財産は含まれません。
この特有財産とはどういったものなのか、共有財産とどう区別するのかがよく問題となります。そこで、以下、特有財産について詳しく解説します。
 

特有財産とは

特有財産については民法に規定(762条1項)があります。
 

①婚姻前から有する財産

 
(例)

  • ・独身時代に購入したマンション、車
  • ・婚姻前に相続した不動産
  • ・嫁入り道具
  •  ・独身時代の借金

  

②婚姻中自己の名で得た財産

 
(例)

  • ・婚姻中に相続や贈与によって取得した財産
  • ・別居後取得した財産

これらは夫婦で協力して築いたのではなく各自が単独で得た財産であるため、財産分与の対象とはされません。
 

注意が必要な特有財産

 上記の代表的な特有財産に対して、以下の財産は注意が必要です。
 

預貯金

普通預金は長年にわたり出し入れを繰り返して残高が変動すること、婚姻後の給与収入等の夫婦共有財産と混在して特定が困難なことから、共有財産として財産分与の対象となるのが原則です。特有財産であることを主張するには、婚姻時からの銀行取引履歴明細や通帳をもって立証することが必要です。
これに対して、定期預金はどちらのいつからの財産か明確に区別できるので、婚姻前からの預金と判断できれば、特有財産として対象外となります。
 

保険

保険には掛け捨て型と貯蓄型があります。貯蓄型は預貯金と同様、財産価値がありますので、財産分与の対象となります。
婚姻前から生命保険に加入している場合は、婚姻時の解約返戻金と離婚時の解約返戻金の差額が、婚姻期間中に形成された共有財産ということになりますので、こ 
の差額分が財産分与の対象となります。
学資保険については、子どもが受け取るケースが多いため子どもの財産と思われますが、夫婦が共同して築いた財産ですので、財産分与の対象となります。
 

退職金

退職金は「賃金の後払い」という側面があるため、財産分与の対象となります。
すでに手元に退職金があればとくに問題がありませんが、将来支払われる退職金については、これを受け取る可能性が高いことが必要になります。たとえば会社の倒産や解雇等、退職金を受け取れない可能性もあるからです。
さらに、その分与を求める対象となる額も、勤続期間全体ではなく、婚姻期間に応じた割合で算出されます。
 

特有財産の例外

 

配偶者が特有財産の維持管理に貢献した場合

本来であれば一方の特有財産であっても、実質的にみて、他方の協力によってその価値が形成された場合、あるいはその価値の減少を防止しその維持に貢献した場合には、極めて例外的ですが、一定の割合で財産分与の対象となります。
財産の種類ごとに見ていきましょう。
 

不動産

夫婦の一方の特有財産であっても、他方がリフォームしたり、古家を解体して更地にしたり、賃貸して運用管理するなどして財産価値を高めた場合は、特有財産であっても対象となります。
 

借地権

たとえば夫が相続した借地上に夫婦で建築した建物(夫名義)がある場合に、夫の特有財産である借地権についても、妻が建物を適切に管理し借地代を支払い続けてきたからこそ、借地権が維持されているといえるため、この借地権も財産分与の対象となります。
 

株式

夫婦の一方の婚姻前の特有財産であっても、他方が運用して価値が増大した場合は、特有財産であっても対象となります。
 

法人格否認の法理

さらに特有財産の例外として、夫婦の一方とその背後にある事業体を同一とみなして、その事業体が持つ財産についても財産分与を求めることができます。
例えば夫が役員を務める会社だが、その実態が夫の個人経営と認められる場合は、会社と夫を法律上同一とみなして、その資産を財産分与の対象とすることができるのです。この場合、会社の資産は夫婦どちらの名義でもなく第三者のものですが、その実態に着目して、会社の資産=夫の財産とみなし、財産分与の対象として扱います。 
 

特有財産の立証

762条2項では「夫婦いずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する」と規定されています。
裁判の場面で「これは私の特有財産であって、分けたくない」「相手方の借金を負いたくない」と主張する者が、それが特有財産であることを立証しなければなりません。立証できないと、夫婦の共有財産として財産分与の対象となってしまいます。
この立証には婚姻時から離婚に至るまでの各種取引履歴や通帳、帳簿等が必要となりますが、これらの保管状況によっては証拠を集めることが困難となる場合があります。
 

まとめ

夫婦は相互に協力し合いその財産を築き上げていくとの理解のもと、夫婦の財産は共有財産であることが基本です。このため、特有財産は夫婦の財産からみると例外となります。
一方で、特有財産であっても、これを財産分与の対象から外して一方のみが丸取りするとしたのでは著しく当事者の公平を欠くような場合には、財産分与の対象とする余地があります。つまり、このような扱いは例外の例外にあたり、その主張立証は大きな困難を伴い、実際にもこれを認める裁判例は多くありません。
しかし、夫婦の清算の場である財産分与において、一方のみが圧倒的に有利(不利)になる事態は避けなければなりません。双方にとって納得のいく財産分与を目指す方は、是非とも弁護士にご相談ください。

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