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子の福祉とは?

2019-11-22
離婚

はじめに

夫と離婚に向けて話し合いをしています。原因は夫からのDVとモラハラ、経済的DVです。小学生の子ども2人も、夫の威圧的な態度に恐怖感を覚えているようで、もしも親が離婚したら母親である私についていく、別れた後も父親とは会いたくないと話しています。しかし夫が弁護士を立ててきて、「子の福祉を考えれば父親と面会した方がいいに決まっている」と主張してきました。子の福祉とはなんでしょうか?子どもが嫌がっていても、父親と面会させなければいけないのでしょうか?

 

 

離婚に伴う親権の決定、面会交流など、子どもに関する取り決めをする際は「子の福祉」という視点を抜きに解決はできません。では「子の福祉」とは何でしょうか。

 

 

子どもの健全な発達を最優先に考える

子どもは親の離婚に伴い、精神的に深い傷を負うことがあります。「自分は親に愛されていないのでは」「親が一人しかいなくて寂しい」など、理由はさまざまです。離婚後に離れて暮らす親と子が面会交流を行うことで、子どものより良い成長に寄与するのであれば離婚の際にルールを決めるべきです。しかし、面会交流が子どもの福祉を害するケースも見られます。

 

例えば、今回ご質問をいただいた方のように、一方の親が暴力をふるったり、子どもを連れ去ったりするおそれがある場合、面会交流を拒否・制限する正当な理由となる可能性があります。これらは子どものより良い成長を阻害するもので、子どもの心の傷を一層深める結果になりえるからです。

 

このように、離婚後の子どもたちの心身にとって健やかな成長のためにどのような方策を取るべきかを「子の福祉」に照らし合わせて考えなければなりません。

 

 

面会交流は原則として行われる

面会交流は離れて暮らす親と、その子どもが持つ権利です。離婚後も両方の親と会える状況は、子どもの成長にとってもプラスになるので面会交流の権利を尊重するべきであると考えられています。離れて暮らす親にも「親の自覚」をもたらす効果もあり、親子の親愛をはぐくむ機会として、双方ともメリットもあります。

 

そのため、離れて暮らす親との面会交流を拒絶するときは慎重な判断が求められます。子どもに対しては、面会交流を希望しない理由など、丁寧なヒアリングを行いましょう。もしも子どもが離れて暮らす親との面会を拒否しているが、親は面会交流を希望していて話がまとまらない場合、弁護士を通じて話し合いをするか、調停または審判で話し合いをすることになります。

 

 

子どもの意思を最優先に話し合いをする

面会交流の有無を話し合う際には、子どもの率直な気持ちを何よりも優先するべきです。また、離れて暮らす親と面会することで、子どもの心身の健全な発達につながるのか、それとも阻害するものかどうか、考慮する必要があります。

 

そして、離婚時の話し合いでは、監護権を持つ親は「絶対に面会交流はさせない」と固執せず、子どもの意思を前提に話し合うことが大切です。もしも夫婦間での話し合いがまとまらなければ、離婚問題に詳しい弁護士にご相談のうえ、面会交流の取り決めをしましょう。

著者

後藤千絵先生
弁護士

後藤ごとう 千絵ちえ

京都府生まれ。滋賀県立膳所高校、大阪大学文学部卒業後、大手損害保険会社に総合職として入社。

30歳を過ぎてから法律の道を志し、2006年に旧司法試験に合格。

08年に弁護士登録し、2017年にスタッフ全員が女性であるフェリーチェ法律事務所を設立。

離婚や相続など、家族の事案を最も得意とし、近年は「モラハラ」対策にも力を入れている。

著作に「誰も教えてくれなかった離婚しないための結婚の基本」(KADOKAWA)、『職場の嫌な人から自分を守る言葉の護身術』(三笠書房)がある。

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