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離婚後の戸籍と氏の変更手続きは?

2018-12-13
離婚

離婚が珍しくない時代になっている一方で、離婚による「戸籍」や「氏(苗字)」の変化を気にする方が増えています。そこで、離婚後の戸籍と氏(姓・名字)についてのルールや手続きの流れを解説します。

離婚後の氏(姓・名字)はどうなるの?

離婚の氏(姓・名字)の取り扱いについては、3つのパターンがあります。

1:婚姻時に氏を変えており、離婚後は婚姻前の氏に戻す

簡単にいうと、結婚によって夫の氏を名乗るようになったが、離婚後は以前の氏(旧姓)に戻る、というケースですね。これを「復氏」と呼び、離婚における一般的な手続きのひとつです。ちなみに婚姻では、夫か妻の氏のどちらかに統一しなくてはなりません。これは民法750条が根拠です。

“民法第750条(夫婦の氏)
夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。”

2:婚姻時に氏を変えているが、離婚後も引き続き同じ氏を称する

離婚後に相手方の苗字をそのまま名乗り続けたい場合は、「婚氏続称制度」を利用することで復氏を回避できます。具体的には、本籍地またな届出人が住んでいる市町村の役所に「離婚のときに称していた氏を称する旨の届」を提出します。なお、この手続きは離婚した日から3か月以内に行わなくてはなりません。苗字が戻ることで、離婚したことを知られたくない……といった場合には、忘れずに手続きを行うようにしましょう。

また、うっかり手続きを忘れていて離婚から3ヶ月が経過してしまった場合でも、復氏を回避できます。ただし、戸籍法107条1項に基づき、家庭裁判所に「氏の変更許可の申立て」を行う必要があります。

“戸籍法 第107条
やむを得ない事由によつて氏を変更しようとするときは、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。”

ここで注意したいのが「やむを得ない事由」を証明する必要があることです。例えば「復氏してしまったことにより、生活で何らかの不利益が生じている」ということを説明しなくてはなりません。

3:婚姻時に氏を変えておらず、離婚後も引き続き同じ氏を称する

簡単にいうと、1の逆パターンですね。婚姻によって苗字の変化がないので、特に何もする必要がありません。日本では、夫側の大半がこれに該当するでしょう。

離婚後の戸籍はどうなる?

戸籍についても、氏と同様に3つのパターンがあります。

1:離婚後に復氏(もとの苗字に戻る)を行う場合

婚姻によって氏が変わった=相手方の戸籍に移っているため、復氏と同時に旧戸籍(両親の戸籍)に戻ります。これを「復籍(婚姻前の戸籍に戻ること)」と呼びます。

2:離婚後に復氏を行わず、そのままの苗字を使う場合

復氏を行わない場合は、自分を筆頭者とした新しい戸籍を作ります。

3:離婚後に復氏を行うが、復籍しない場合

離婚届出用紙の「婚姻前の氏に戻る者の本籍」欄に存在する「新しい戸籍をつくる」という項目にチェックすれば、復氏を行い、なおかつ新しい戸籍を編製できます。既に両親がなくなっており、除籍されているようなケースでは、こちらの方法を選択することになるでしょう。

子どもの氏や戸籍はどうなるの?

原則として、子供の氏や戸籍は、両親の離婚による影響をうけません。つまり、「婚姻中のまま」なのです。妻が離婚によって復氏・復籍を行っても、子どもの性は夫側の氏を名乗り、戸籍も夫側にあります。

これを変更するには、家庭裁判所に対し「子の氏の変更許可の申立て」を行ったうえで、新しい戸籍を作らなくてはなりません。少し複雑ですが、「子どもの氏や戸籍の変更は、家庭裁判所への申し立てと新戸籍の編製が必要」と覚えておいてください。もし不安がある場合は、離婚に強い弁護士に相談してみましょう。

著者

後藤千絵先生
弁護士

後藤ごとう 千絵ちえ

京都府生まれ。滋賀県立膳所高校、大阪大学文学部卒業後、大手損害保険会社に総合職として入社。

30歳を過ぎてから法律の道を志し、2006年に旧司法試験に合格。

08年に弁護士登録し、2017年にスタッフ全員が女性であるフェリーチェ法律事務所を設立。

離婚や相続など、家族の事案を最も得意とし、近年は「モラハラ」対策にも力を入れている。

著作に「誰も教えてくれなかった離婚しないための結婚の基本」(KADOKAWA)、『職場の嫌な人から自分を守る言葉の護身術』(三笠書房)がある。

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