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弁護士に事件委任した場合にかかる費用は?

2018-12-13
離婚

離婚を成立させるには、時間と労力がかかります。そのため、弁護士に委任したほうが結果的にお得なことも珍しくありません。しかし、「一体どのくらいの費用がかかるのかわからない」という声が多いことも事実です。そこで、離婚を弁護士に事件委任したときにかかる費用を整理してみましょう。

離婚事件を弁護士に委任する場合の費用

弁護士費用は、事件の種類によって相場が変わります。以前は弁護士会で報酬の規定があり、今でもその規定に準じた料金体系を採用していることが多いです。ただし、報酬は原則として法律事務所ごとに自由に決められます。そのため、ここで紹介する費用は、あくまでも一般的な相場で、これより安いことも高いこともあると理解しておいてください。

離婚事件の基本的な弁護士費用

1.相談料
1時間1万円程度が相場です。(税別)ただし、初回の相談を無料にしている弁護士も増えています。

2.着手金
着手金とは、事件にとりかかるとき、発生する費用のことです。これは固定費ですから、事件の結果がどうであれ、返金されません。ただし、依頼する事件の種類によっては、着手金がかからない法律事務所もあります。例えば過払い金請求などは、着手金が無料のケースが多いですね。離婚事件の場合は、30万円前後が相場で、20万円から50万円まで幅があります。

3.報酬
事件を終了させたことに対する基本的な報酬です。こちらも30万円程度が相場です。

4.報酬(成功報酬分)
依頼者が望んだ結果になったとき、3の報酬に加えて必要なことが多いです。こちらは法律事務所によって差がありますが、20万円前後が多いでしょう。

5.慰謝料や財産分与に対する報酬
離婚では、お金が絡んだやりとりが良くあります。特に慰謝料や財産分与は動く金額も大きく、無事獲得できれば依頼者の大きな利益になります。そのため、成立させた慰謝料や財産分与の1割程度を追加報酬にすることが多いです。ちなみに継続的に支払われるお金(分割された年金や養育費など)では、一定期間分の1割になることがほとんどでしょう。例えば年間100万円の養育費ならば、2年分×10%で20万円となります。

6.親権を獲得できたことに対する報酬
離婚する夫婦に子供がいたばあい、どちらが親権を持つかで揉めることがよくあります。このとき、親権の獲得できたことに対して支払う報酬も考慮しておきましょう。こちらも相場は20万円程度です。

7.その他実費や日当
相談や交渉などで弁護士が移動したり、拘束されたりする場合は、それに対する費用がかかります。一般的には「日当○○円」のように規定されているでしょう。こちらの相場は、1日あたり3万円から5万円程度です。

弁護士への委任費用は高いのか?安いのか?

こうして一覧にすると、「合計で100万円以上はかかるし、高い!」と感じるかもしれません。たしかに金額だけを見れば、安いとはいえません。しかし、離婚では年金や財産分与、養育費、親権など、お金や人間関係が絡む重大な問題が多いのです。もし弁護士に任せず、これらを全て自分で処理するとなると、その労力は計り知れません。
また、年金額や財産が多い場合、適切に処理できなかったときの逃す利益は、弁護士費用の比ではないでしょう。つまり、弁護士費用に事件を委任しなかったことで発生する「逸失利益」や「機会損失」を考えるべきなのです。

今は初回無料相談を設けている法律事務所も増えていますから、まずは気軽な相談してみてはいかがでしょうか。

著者

後藤千絵先生
弁護士

後藤ごとう 千絵ちえ

京都府生まれ。滋賀県立膳所高校、大阪大学文学部卒業後、大手損害保険会社に総合職として入社。

30歳を過ぎてから法律の道を志し、2006年に旧司法試験に合格。

08年に弁護士登録し、2017年にスタッフ全員が女性であるフェリーチェ法律事務所を設立。

離婚や相続など、家族の事案を最も得意とし、近年は「モラハラ」対策にも力を入れている。

著作に「誰も教えてくれなかった離婚しないための結婚の基本」(KADOKAWA)、『職場の嫌な人から自分を守る言葉の護身術』(三笠書房)がある。

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