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複数の遺言書が見つかった場合の処理

はじめに

当事務所に寄せられたご質問にお答えいたします。

 

亡くなった父の遺言書が2通見つかりました。ひとつは自筆証書遺言で、すべて不動産と預貯金の2分の1を母に、私と弟には預貯金の4分の1を相続させる旨の記載がありました。ところが、検認を受けた直後に公正証書遺言が見つかり、中身を確認したところ不動産を母に、預貯金を母と私と弟がそれぞれ3分の1ずつに相続させると書かれていたのです。遺言の内容が違うので、どちらに従って遺産分割をすすめたらいいのかわかりません。このようなとき、どうすればいいのでしょうか。

 

遺言書は誰でも、いつでも作成できることから、前回作成時とは異なる内容の遺言を残すことも可能です。前回書いた遺言書を破棄せず、複数の遺言書が見つかってしまったら、相続人が混乱するのも仕方がありません。では、このようなとき、どちらの遺言書に従ったらいいでしょうか。

 

遺言書の日付を確認する

複数の遺言書が見つかったときは、遺言書が書かれた日付を確認しましょう。遺言書は日付が新しい方が被相続人の最終意思と判断され、それ以前に書かれた遺言書は撤回したものとみなされます。

 

今回ご質問をいただいた方も、日付の新しい方の遺言に従って遺産分割を進めるべきでしょう。

 

自筆証書遺言も公正証書遺言も効力は同じ

公正証書遺言は、公証役場で公正証書として認められた正式な書類で、自筆証書遺言よりも法的な効果が強いがあるイメージがあるかもしれません。しかし、遺言書が複数ある場合においては、どのような形式でも日付が新しい遺言書の方が優先されます。たとえ公正証書遺言よりも日付が新しい自筆証書遺言が見つかっても、検認を受けて有効と判断されていれば、自筆証書遺言の方に効力が生じます。

 

なお、自筆証書遺言でも日付がない、押印がないなどの不備があたために裁判所による検認で無効と判断された場合は、先に作成した公正証書遺言に基づき遺産分割を行いましょう。。

 

 

内容が抵触していないか確認する

法律上、遺言書が複数あるときは「前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす」と規定されています。「抵触する部分」とは、複数の遺言の内容に矛盾があるということです。

 

今回ご質問をいただいた方のケースを整理してみましょう。

 

自筆証書遺言

→ 母にすべての不動産と預貯金の2分の1

子ども2人に預貯金4分の1ずつ

公正証書遺言

→ 母に不動産と預貯金3分の1

子ども2人に預貯金3分の1ずつ

 

この2つの遺言書は「母に不動産を相続させる」点で一致しており、抵触していません。すなわち、母親は不動産を確実に相続できることになります。

 

しかし、自筆証書遺言は母に預貯金2分の1を相続させる記載があるものの、公正証書遺言には預貯金は3分の1に変更されているので「抵触」にあたります。そのため、日付が新しい方の遺言書が有効となります。

 

 

まとめ

複数の遺言書が見つかったとき、日付の新しい方が有効であることを説明させていただきました。

 

遺言書は、内容に不備があり無効となるケースも珍しくありません。例えば、複数の遺言書で矛盾点の多かったり日付が不明瞭だったり、相続人だけではどのように処理したらいいのかわからないこともあるでしょう。そのようなときは、相続専門の弁護士にご相談ください。相続に関する問題を数多く解決してきた弁護士が詳しくお話をうかがい、具体的なアドバイスをさせていただきます。

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