相続問題を弁護士に依頼する3つのメリットとは?
話し合いは、身内で済ませるという方が多い一方、何らかのトラブルが発生する可能性が高い「相続」の問題。たとえそれまでの人間関係が至って良好でも、遺産が絡むと利害関係が衝突し、弁護士への依頼に発展することが少なくありません。では、相続問題を弁護士に依頼すると、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
弁護士に依頼するメリット1:トラブルを回避できる
冒頭でも述べたように、相続の場ではそれまで仲が良かった親族同士の間に亀裂が生じることも珍しくありません。「相続ほど激しい親族間の争いは無い」といわれるほど、激しい対立を起こす可能性が高いのです。
特に多額の現金や不動産、有価証券などが遺産に含まれると、身内だけの遺産分割協議ではまとまらないことがあります。話し合いでまとまらないものは、必然的に公的な場へと土俵を移していくでしょう。つまり、家庭裁判所での調停や訴訟ですね。
こういったトラブルは、親族の人間関係を壊してしまうだけでなく、スムーズな相続を妨げる原因になります。また、争いですから、結果だけを見れば損をする者と特をする者がいます。しかし、調停や交渉にかかる時間や労力を考えれば、「誰も得をしない」という結果は良くあることなのです。
一方、遺言書の作成段階から弁護士のサポートを受ければ、後々のトラブルを回避できるようアドバイスが受けられます。これは、遺産分割協議で起こりがちな争いや、裁判所を介した調停・訴訟に精通している弁護士ならでは、といえるでしょう。遺言書そのものだけではなく「遺産分割協議で揉めないためのシナリオ」を作れるのが、弁護士に依頼するメリットです。
弁護士に依頼するメリット2:手間を省きつつ円滑な相続ができる
弁護士は、相続に関する様々な手続きにおいて「代理人」になることができます。特に、遺産分割協議の交渉や遺産分割調停、審判において、代理人になれるのは弁護士だけです。利害関係がある当事者同士では複雑化しやすい問題でも、間に弁護士が入ることで、事態が収束に向かうことは良くあります。
例えば、
・相続の最低保証額のような性質を持つ「遺留分」の問題(遺留分減殺請求)
・借金を含む相続で発生する「相続放棄」「限定承認」
といった手続きは、弁護士に依頼するメリットが大きいでしょう。
また、遺産分割協議の内容を整理した「遺産分割協議書の作成」も弁護士に依頼すると、公平かつ内容に間違いがないものが出来上がります。複雑な利害関係を整理し、相続人同士の接触を最小限にしながら、円滑な相続が期待できるのです。
弁護士に依頼するメリット3:信頼できるパートナーを獲得できる
財産を残す側、つまり「被相続人」側からすれば、「遺産を自分の思い通りに相続させたい」という想いがあるでしょう。
一方、相続人同士の関係に配慮するあまり、「誰に何を相続させるか」を相談する相手がいない…というジレンマも発生しがちです。こういった相談は、ぜひ相続に強い弁護士に持ち掛けるべきです。
弁護士は守秘義務に基づき、依頼人のプライバシーを守りつつ、遺産の行方をコントロールするアドバイスが可能です。また、税理士や不動産会社、司法書士など他の専門職と連携しながら、相続の最適解を探ってくれます。さらに見落としや誤解がないかをチェックし、依頼人がのぞむ相続にできるだけ近づくよう、サポートしてくれます。
常に自分の味方であり、公平かつ冷静な第三者視点を持ったパートナーを得ることは、心の平穏を保つのに大きな効果があるでしょう。