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相続放棄を行うデメリットとは

はじめに

当事務所に寄せられたご質問にお答えいたします。

 

私は50代半ばの女性です。子どもに恵まれず、亡くなった夫と2人で暮らしていました。夫は昔、知人の借金の保証人になったのがきっかけで、借金の返済を続けていました。その夫が亡くなった今、貯蓄はほとんどなく多額の借金だけが残ったので相続放棄の手続きをしようと思います。そうすれば、借金の返済をしなくて済みますよね?

 

おっしゃる通り、相続放棄は被相続人の財産も債務も相続しないので、債務を返済しなくて済みます。しかし、相続放棄にはデメリットもあるため、その判断には慎重になるべきです。

 

 

相続放棄のデメリット①やり直しがきかない

相続放棄は、基本的にやり直しがききません。相続放棄後に被相続人が隠していた財産が発見された場合でも「やっぱり財産がほしいから」という理由で相続放棄を撤回することは、残念ながら不可能です。

 

相続放棄の手続きをするにあたって、「熟慮期間」を設けることが法的に認められています。この熟慮期間に、まだ見つかっていない財産または債務があるかどうかを調査したうえで、相続放棄をするかどうかを判断するのです。それくらい、相続放棄は慎重に行うべきことと言えます。

 

 

相続放棄のデメリット②相続順位が変わり、ほかの相続人とトラブルになる可能性も

今回ご質問をいただいた方の場合、相続放棄をすれば借金の返済は免れます。しかし、被相続人の借金が帳消しされるわけではありません。

 

配偶者が相続放棄すると、相続順位が変わり、被相続人の親が相続人となります。つまり、ご主人のご両親が借金の肩代わりをしなければならないのです。

 

もしも、ご両親がおらず、ご主人にきょうだいがいる場合、そのきょうだいが債務を相続します。きょうだいが死亡していてその子ども(被相続人から見て甥・姪)がいたとしたら、代襲相続により甥や姪がその債務を相続します。

 

今回ご質問をいただいた方が相続放棄をするときは、後々のトラブルを防ぐためにも亡くなった配偶者のご両親やきょうだいなどの血族に事前に報告しておくことをおすすめします。

 

相続放棄のデメリット③一切の財産を相続できない

相続放棄をすると、プラスの財産も相続できません。自宅を被相続人が所有していた場合、相続放棄をすれば退去を迫られるでしょう。ご質問によると「貯蓄はほとんどなく」とあり、どれくらいの金額か判断できかねますが、少しでもまとまった財産が残っているなら相続放棄をせずに、借金を返済する選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

まとめ

以上を踏まえて相続放棄をする場合は、手続きを進めましょう。管轄の家庭裁判所に必要書類の提出、裁判官への申述などを経て1ヶ月ほどで手続きが完了します。その際、相続に強い弁護士に依頼することをおすすめします。相続に詳しい弁護士なら、相続に関する一連の手続きには熟知しているので、まずはお気軽にご相談ください。

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