相続財産管理人はどのようなときに必要?
相続財産管理人という言葉を聞いたことがありますか?
普段あまり聞くことがありませんよね。
その相続財産管理人はどういうことをする人なのか,またどのような時に必要になるのかを説明していきます。
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相続財産管理人は何をする人?
相続財産管理人は,
『遺産を管理する業務を行う人』のことです。
一般的には,遺産相続が発生したとき,相続人が遺産の管理を行い,遺産分割協議を行って,遺産を分配します。
どのような場合に相続財産管理人が必要になるのでしょうか?
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相続財産管理人が必要になる2つのパターン
1)相続人が誰もいない場合
2)相続人全員が相続放棄した場合
の2つが考えられます。
1の場合は,亡くなった方に法定相続人になることができる親族が存在せず,遺言書もない場合が該当します。
2の場合は,相続人が居ても,全員が相続放棄をしてしまっている場合があたります。
相続財産管理人が必要になるのは,このような場合に相続財産を管理すべき人がいないときに選任される必要があるのです。
亡くなった方に借入などがあれば,必要な支払いをし,財産があれば,それを管理し,最終的に国庫に帰属させる役割を担うのです。
※国庫に帰属・・・・国のものになること。
誰も相続することのない財産は国のものになります(民法239条2項,959条)。
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相続放棄しても油断は禁物
財産より負債の方が多く,相続放棄をすることがあるかと思います。
ただ,亡くなった方が所有している不動産に住んでいる場合などは注意が必要です。
相続放棄をしたからといって,その相続財産の管理義務がなくなるわけではありません。
相続財産がきちんと管理されるようになるまでは,自分の財産と同様に注意義務をもって管理しなければなりません(民法940条)。
相続放棄したからと油断せず,相続財産管理人が選任され,管理を引き継ぐまではしっかりと注意して管理しましょう。
万が一,不注意によって財産を毀損させてしまったり,不動産の管理が出来ておらず,周辺住民に損害を与えてしまったら,損害賠償請求をされてしまう可能性もあります。
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まとめ
相続放棄をしてすぐに義務から解放されるわけではありません。
もしあなたが亡くなった方の財産を管理している立場であったり,お金を貸している人が亡くなったけど,誰も相続する人がいない場合は,まずは弁護士に相談してみましょう。
簡単に考えて,あとから大変な事態になってしまわないように。