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未成年者がいる場合の遺産分割の方法、流れ、注意点

相続において、相続人になるのは成人のみではありませんよね。未成年者が相続人になる可能性も十分に考えられます。ただし、未成年者が相続人になる場合は、成人とは異なる手続きが発生する点に注意しておきましょう。ここでは、未成年者への遺産の分割や流れ、注意点を解説します。

未成年者の相続に関する基礎知識

未成年者は民法上「本人のみで法律行為を行うことができない」ことになっています。
つまり、「本人だけでは相続の手続きできない」のです。ではどうすれば良いかというと、未成年者の相続を代わりに行う「代理人」が必要なのです。

具体的には、未成年者の代わりに法律行為を行う「法定代理人」が必要です。未成年者の代理人については民法第5条1項に規定があります。

“民法第5条 (未成年者の法律行為)
1.未成年者が法律行為を行うには、原則として法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。”

また、法定代理人が持つ権利については、以下3つがあるとされています。

1.同意権…未成年者の行う法律行為に同意を与える権限(民法第5条1項)
2.代理権…未成年者を代理して財産上の法律行為を行う権限(民法824条・859条)
3.取消権と追認権…未成年者が法定代理人の同意を得ずに行った法律行為を取り消す権限、および追認(あとから認める)する権限(民法5条2項・120条1項・122条)

相続も法律行為ですから、未成年者へ遺産分割を行うには法定代理人が必要です。これを踏まえ、未成年者がいる場合の遺産分割(協議)の進め方について、もう少し詳しくみていきましょう。

未成年者がいるときの遺産分割①:「代理人」の決定

まず、未成年者の法定代理人を決めます。このとき、未成年者の親権者(親)が法定代理人になれば良いと考えがちですが、実際はそううまくいかないことがあります。

親が法定代理人になれるとは限らない

相続では、未成年者の親自身も相続人になっていることが多いですよね。このとき、たとえ親と子であっても、遺産を分け合う者同士には利益相反(ある行為が片方の利益になり、もう一方の不利益になること)があると考えられます。

簡単にいうと、親が自分の利益を優先して子(未成年者)にわたるはずだった遺産を少なくしてしまう可能性があるわけです。このような関係においては、親が子の法定代理人になることはできません。そこで、「特別代理人」の選任が必要になるのです。

特別代理人とは?どう選べば良いの?

未成年者の法定代理人がいないことには、遺産分割協議が進みません。そこで、相続に関係のない成人の中から「特別代理人」を選ぶことになります。特別代理人の選任には、家庭裁判所への申立てが必要です。このとき、以下のような書類を準備します。

○特別代理人の選任申し立てに必要な書類
・特別代理人選任申立書(収入印紙800円分を貼付)
・未成年の相続人の戸籍謄本
・親権者の戸籍謄本(未成年の相続人と同じ戸籍であれば兼用可能)
・特別代理人候補者の住民票または戸籍附票
・遺産分割協議書の案
・連絡用の郵便切手

ちなみに、特別代理人になるためには、特に資格や経験を必要としません。したがって、相続に関係ない成人であれば、知人や同僚などでも良いわけです。しかし、信用できる第三者となれば、自然と人選の幅が狭くなりますよね。また、相続に関係のない親類自体が見つからないこともあるでしょう。

そこで外部の専門家、つまり弁護士を特別代理人に選任することは珍しくありません。

未成年者がいるときの遺産分割②:遺産分割協議書の作成

相続人に未成年者がいる場合は、遺産分割協議書の作成方法にもいくつかの注意点があります。それは、以下のような事柄です。

・特別代理人の選任には、遺産分割協議書の内容を家庭裁判所に認められる必要がある。
・遺産分割協議書の署名及び押印は特別代理人が行う。

特に重要なのは前者です。繰り返すようですが、未成年者がいる遺産分割では、特別代理人が選任されないと遺産分割協議が進みません。しかし、特別代理人が選任されるためには、家庭裁判所に認められるような遺産分割協議書が重要です。

一般的には、未成年者の相続分を不当に少なくせず、「法定相続分」を確保した内容であることが望ましいとされています。

未成年者がいるときの遺産分割③:親権者が相続することも可能

遺産の内容によっては、未成年者への遺産分割が難しいこともあります。例えば、遺産が不動産(自宅)のみであれば、未成年者に法定相続分を相続させるため、一旦現金に変える(売却)する必要がでてきますよね。

しかし、自宅は生活に必要なものですから、現実的ではありません。また、未成年者に多額の金銭が遺されるような場合も、未成年者本人が金銭を管理するのは難しいものです。そこで、親権者が未成年者の相続分を受け取ることもできます。

これは、前述した「特別代理人選任申立書」や「遺産分割協議書」に、理由を明記し、家庭裁判所に提出することで認められます。理由の書き方はケースバイケースですが、もし不安があるようなら弁護士に相談してみましょう。

未成年者がいる遺産分割は専門家に相談を

未成年者が相続人である場合は、代理人が必要なこともあり、手続きが複雑になりがちです。また、単なる遺産相続だけではなく、未成年者の相続放棄や代襲相続でも特別代理人が必要になってきます。遺産分割を含めた相続全体の手続きがスムーズに進むよう、相続に強い弁護士へ相談してみてください。

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