破産をすると家族も破産に追い込まれてしまいますか?
自己破産を検討している方の中には、「自己破産で家族に迷惑がかかるのか」「自己破産すると家族も破産に追い込まれてしまうのか」などと、心配されている方も多くいます。
そこで、本記事では、破産が家族に及ぼす影響や、破産しても家族に影響がないことについて説明します。
「自己破産すると家族も破産に追い込まれてしまうのか」という問いについても冒頭で明確に回答するため、ぜひ参考にしてください。
家族が保証人・連帯保証人になっている場合は破産に追い込まれる可能性がある
家族が保証人・連帯保証人になっている場合は、家族も破産に追い込まれる可能性があります。
家族が保証人・連帯保証人になっている場合は、連帯保証債務から逃れられず、家族にも返済義務が生じるためです。
現実的には、自己破産に追い込まれるほどの借金であれば、保証人・連帯保証人である家族も借金の完済が不可能でしょう。
したがって、借金の総額によっては、家族も自己破産してしまうかもしれません。
破産が家族に及ぼす影響
破産が家族に及ぼす影響は、次の4つです。
- ・持ち家や自家用車を失う
- ・家族カードが解約される
- ・預金や保存などの金融資産が処分される
- ・親が実質的所有者の子供名義口座は処分される可能性がある
いずれも家計資産に深刻なダメージを与える影響です。
ぜひともご参考ください。
持ち家や自家用車を失う
自己破産をすると、破産者名義の高額な財産が処分の対象となるため、持ち家や自家用車が失われてしまいます。
自己破産の処分対象は、あくまでも破産者が所有しているとみなされる高価な財産ですが、持ち家がなくなれば、家族も一緒に引っ越しをしなければならないでしょう。
なお、両親がローンを組んで購入した家や、配偶者が自己資金で購入した車など、家族名義の高額な財産は、自己破産で処分されません。
また、自動車をはじめ、保有資産の現在価値が20万円以下の場合は、所有し続けられる場合があります。
家族カードが解約される
自己破産をすると、本人名義のクレジットカードはもちろん、その家族も利用できる家族カードも解約されます。
破産者が信用情報機関に事故情報を登録されることで、破産者名義のクレジットカード・家族カードの所有や使用ができなくなるためです。
ただし、家族が契約して本会員となっているクレジットカードはそのまま使用できます。
解約・使用不能になるのは、破産者が契約しているクレジットカードだけです。
預金や保険などの金融資産が処分される
自己破産をすると、99万円以上の現金や、20万円以上の保険の解約返戻金・預貯金といった金融資産が処分されます。
金融資産は、家族の生活費や教育費の支払いなどの目的であっても、処分を免れません。
預貯金口座が複数にわたる場合は、合計で20万円をこえる金額が全て対象です。
ただし、どうしても必要な財産については、管財人や裁判所に自由財産として認められれば、残すこともできます。
また、生命保険は、「契約者貸付制度」と呼ばれる制度を利用することで、財産とみなされる解約返戻金の額を、20万円未満に抑えることが可能です。
親が実質的所有者の子供名義口座は処分される可能性がある
自己破産をすると、親が実質的所有者の子供名義口座は処分される可能性があります。
処分されるのは、親が実質的所有者の預貯金口座だけではありません。
子供名義の学資保険も実質的に親が積み立てているため、処分の対象です。
また、自己破産を申し立てる直前で、破産者名義の口座から子供名義の預金口座への資金移動は、財産隠しだと管財人や裁判所に受け取られ、免責不許可事由になる可能性があります。
破産しても家族に影響がないこと
自己破産をしても、家族に影響がないことも多くあります。
自己破産をしても家族に影響ないものは、次の通りです。
- ・家族名義の財産
- ・家族の職業選択
- ・家族の結婚
- ・家族の信用情報
- ・家の家具・家電
このうち、家族の結婚は自己破産がマイナスの影響を与えるように見えますが、「親が自己破産をすると、その子供は法律的に結婚できない」といった法的な制限はありません。
自己破産は戸籍や住民票に記載されることもなく、官報に本人の情報が掲載されるのみです。
また、家族の職業選択でも、自己破産による職業や資格の制限が課されるのは、破産者本人に限られます。
職業選択の制限は、家族には及ばないため、安心するとよいでしょう。
債務整理による家族への影響を最小限に抑えたい場合は弁護士にご相談ください
家族が保証人・連帯保証人になっている場合は、家族も自己破産に追い込まれる可能性があります。
また、自己破産では、持ち家や自家用車を失ったり、預金や保険などの金融資産が処分されたりする点に注意が必要です。
それでも、自己破産の影響範囲は破産者本人の財産や職業資格に限られるため、自己破産が家族に与える影響は限定的との見方もできるでしょう。
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